「ノンバルディ」データ改ざん―関与の京都府立医科大医師、奄美大島の徳洲会病院にいた!
製薬会社「ノバルティスファーマ」(以下、ノバ社)は血圧を下げる薬「バルサルタン(商品名・ディオバン)に脳卒中や狭心症などのリスクを下げる効果があるとして、2000年から大々的に販売してきたが、その効能は医学的には存在せず、実験データに不正があったことが判明し厚労省が調査を続けてきた。そしてついに、6月11日にデータ改ざんの実行犯としてノバ社元社員の白橋伸雄容疑者(63歳)が逮捕された。
だが、白橋一人でこんなことができるわけはない。京都府立医科大学で大規模な臨床試験を行っていた医師・松原弘明氏(57歳)と白橋容疑者が二人三脚でやったのではないかといわれている。ディオバンが問題になりなりはじめた昨年(2013年)2月末、松原医師の姿は京都医大病院から忽然と消えてしまったのだ。
それを『週刊現代』が追跡し捕まえて直撃している。彼は奄美大島の名瀬徳洲会病院にいた。病床数255床と島内有数の大規模病院である。彼は質問に「もう疲れた。(白橋)一人でやったと思う」と言を左右にして自分の責任は認めないが、東京地検から聴取を受けていることは認めている。
ノバ社はディオバンの効能を国際的な医学雑誌に発表した京都医大に3億8170万円、東京慈恵会医大に1億8770万円、5大学合わせてばらまいた総額は11億円を超えるという。しかも、それらのカネの<「実態は製薬企業が大学の先生に支払う『接待費』なんです」(大学病院に勤務する医師)>。巨額な接待費を支払ってもノバ社はディオバンで1兆2千億円を売り上げているから、大儲けである。
だが、高い降圧剤を処方されたために数千億円の医療費がそのために支払われているという。週刊現代がいうように、<製薬業界の不透明な手口を解明するためにも、まずはディオバンをめぐるノバ社と大学病院の責任を明らかにすることが求められる>はずである。