ニューヨークで開かれた豪華な慈善ランチを貧困層にふるまうイベントが大荒れとなった。現金を配るという約束が実行されなかったためらしい。主催者は大富豪の中国人実業家・陳光標氏(45)で、これまでもユニークな慈善活動で話題を集めてきた。今回は、現金ばらまきを米国の慈善団体に反対されて急きょとりやめ、べつに食事を提供する活動の資金に回したのだが、人々は「豪華な料理より金をくれ」だったのだ。
現金ばらまきをPRしてたのに…
ニューヨークのレストランで約200人にふるまわれたのは、クリームソースと胡麻和えのツナ、牛ヒレ肉、ベリーのデザートだった。食べた男性は「こんな豪華な食事は初めてだ」と感激していたが、食後に配られるはずだった約300ドルを主催者側が片付け始めたことから、「約束を守れ」「ウソをつくな」と騒ぎが起こった。
主催者は現金を渡すつもりでいたそうだが、慈善団体から「現金はもっと有意義な使い方を」と止められた。結局、慈善団体に寄付して、これで900人に50日間、食事が提供された。
空気缶詰を北京で配布、反日デモ被害者に車プレゼントの有名人
キャスターの赤江珠緒「ウーン。どこに軸をおいて考えたらいいか戸惑いますね」
陳氏はリサイクル事業で富を築き、2008年の四川大地震で被災者に現金を届けたり、中国の大気汚染では空気の缶詰23万缶を配った。反日デモでも日本車を壊された43人に中国車をプレゼントしたことがある。「米中のお金持ちは私のように寄付してほしい」と語っていた。今回は慈善事業家としてPRする狙いがあったとみられる。
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「現金だと何に使われるかわからないということだろうけど、本人の意向どおりに渡したほうがいいと思うな」
飯田泰之(明治大准教授)「アメリカではお金持ちがチャリティをするのは当然で、中国から来た人が今さら何をやるのか、総額が大きいとは思えないですしね。今後は有効活用できる団体に寄付してほしいですよ」
米国と中国の感覚の違いがこんなところにもあらわれた。思惑通りにはいかなかったが、PR効果だけはあったかもしれない。