東京・JR池袋駅西口で24日(2014年6月)夜、脱法ハーブを吸ってラリった男の車が歩道を暴走、20代の女性が死亡し、6人が重軽傷を負った。「とくダネ!」は事故直後に運転席にいた男が駆けつけた警察官に現行犯逮捕されるまでの一部始終を撮った映像を入手し伝えた。
逮捕時もよだれダラダラ
現場は仕事を終え帰宅途中の人たちや飲み客たちで混雑していた。歩道に乗り上げた車は猛スピードで40メートルも暴走し、次々と人をはねて電話ボックスに激突し止まった。目撃した男性によると、「ヤバいと思ってよけた。その時、運転していた男はハンドルを握っていなかった」という。
入手した映像には、口からよだれをたらし、仰向け状態で運転席に座っている男を、駆けつけた警察官が外に出そうとしている。男が抵抗しているのか、警察官は再三「暴れるな」と押さえつけようとする。男は飲食店経営と話す名倉佳司容疑者(37)で、「脱法ハーブという薬物を吸った。人をはね怪我させたのは間違いない」と供述しているという。車の中には脱法ハーブが置いてあり吸引しながら運転していた可能性がある。
若者より多い40代以上の中毒者
脱法ハーブなど脱法ドラッグによる事故は、昨年(2013年)1年間で全国で39件が摘発されている。この4月から法律が改正され、使用・所持禁止という厳しい法律が施行されたが、すぐに対象外の成分に変えた脱法ドラッグが出回るなどイタチごっこだ。
脱法ドラッグに詳しい深澤真紀(コラムニスト)はこう解説する。「何となく若者の薬物というイメージがありますが、日本は特殊で、若者は15%に減っているのに対し、40代以上が20%から30%に増えています。90年代に薬物に接触した若者が止められず、年をとっても接触を続けているらしいんです」
警視庁では名倉を量刑の重い危険運転致死傷罪に切り替え取り調べる方針というが、実際は走る殺人鬼に等しい。