ようやく名乗り出た。東京都議会のセクハラ野次は自民党の鈴木章浩都議(51)によるものだった。きのう23日(2014年6月)に塩村文夏都議(35)に謝罪したが、その後の会見で質問攻めにあい、ネットで「あれはいじめだ」という声も出たが、これには理由があった。
支離滅裂の釈明会見!「議会正常化のため頑張る」あんたが張本人なんだってば
鈴木都議は「早く結婚した方がいいんじゃないか」といったのは自分だが、「産めないんじゃないか」などは自分ではないという。ヤジったのは「誹謗するためではなく、少子晩婚化の中で早く結婚してほしいという思いから」と弁明したが、大きなお世話だろう。塩村都議は子育て支援策をただしていた。その文脈からも変な理屈だ。
会見で批判的な質問が続いたのは、鈴木都議がウソをついていたからだ。騒ぎの最初から鈴木都議の名前はあがっていた。都議会の公式録画にもヤジは録音されていたからだ。しかし、「あさチャン!」の取材にも「私じゃないですよ」ととぼけ続けていた。自宅前で取材を受けたときも、「寝耳に水」といい、「議員辞職に値する」と否定し、突っ込む記者に「何なんですか、あなたたちは!」と食って掛かったりもしていた。
それが一転、「すみません」で幕引きでは世間も記者も納得しないだろう。鈴木都議は名乗り出るのが遅くなったことについて、「場を逸してしまった。逃げていたといわれても仕方ない」と釈明した。逃げ回っていたのではない、「私じゃない」とウソをついていたのだ。
また、会派を離脱するが議員は辞めない。「このような状況を払拭するためにも、議会の正常化のために頑張らせていただきたい」なんていう。このような状況をだれがつくったのか。もう支離滅裂だ。「あの程度のヤジ、議員を辞めるほどのことではないだろう」と腹の中で考えているのもありありだ。
鈴木都議は大田区選出の当選3回。選挙では「女性が働きやすい社会の実現」訴えていたというから、お笑いである。太田区議だった2005年にヨーロッ パ視察に出かけ、その報告書に他人の文章を盗用したり、06年のアメリカ視察の報告書はウイキペディアのコピペだった。2012年8月には、尖閣諸島・魚釣島に上陸した10人の地方議員のうちの1人で、沖縄県警から事情聴取を受けた。
地元・大田区「リコールとかやるしかないかな」
自民党の石破茂幹事長は「遅かったじゃないかというお叱りには、申しわけないと党の責任者として思っております」、菅義偉官房長官も「女性が輝く社会づくりを推進する安倍内閣として極めて遺憾」とコメントした。
地元大田区では、「自分たちが選んじゃったんだからリコールとか」「とんでもない。あきれた」などという有権者の声が強まり、事務所に生卵が多数投げつけられている。
塩村都議は他の発言も「鈴木さんのやじと同じくらい重い」と、発言者を特定したいとしている。鈴木都議同様、本人も周囲もわかっているだろうに、このネット時代に最後までバレないとでも思っているのだろうか。遅くなればなるほど恥は大きくなる。
井上貴博アナ「腑に落ちないことは、かえって増えましたね」
司会の夏目三久「やじにやじを重ねた人もいる」
キャスターの齋藤孝「議員としての資格が疑われると思います。やじというより差別発言だから」
共同通信の久江雅彦編集委員は「侮辱ですし、国際的にも日本は男性優位の国なんだという印象を与えてしまいました。それもオリンピックの東京ですからね。塩村さんはきょう外国特派員協会で会見するから、さらに大きく伝えられると思います」
それが、ホントの姿ではあるんだけどね。