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実名明かし顔写真まで必要か!?名物編集長の愛人騒動「武士の情け」っていうことも…

   週刊文春とは不可思議な雑誌である。権力と真っ向から切り結ぶときもあれば、なんでこうしたものを取り上げるのかわからないときもある。今週の「『ブルータスよお前もか』元編集長愛人3人と隠し子に妻が激怒」もそうである。

   もちろん、マガジンハウスのブルータスという雑誌を黒字雑誌にし、その後も世界的なファッション誌VOGUEの日本版を運営する会社の代表取締役社長に就任した人だ。いろいろあったようだが、現在は明治大学商学部の特任教授として教鞭を執っている人にニュースバリューがないとはいわない。

   3人も愛人がいて、そのことで奥さんから愛人3人を相手取って慰謝料請求訴訟を起こされたというのは壮絶な話ではある。だが、顔写真を載せ実名で書くほどのものなのか、読んでいていささか疑問に思った。

   もうだいぶ前になるが、私が親しくしていた毎日新聞政治部の人がいた。私より年上だが面倒見のいい人で、飲みながら政界の裏話をレクチュアーしてもらった。その彼が、同級生で某宗教団体の教祖の娘と理無い仲になった。彼女の夫との不仲について相談にのっているうちにそうなったと聞いた。

   彼女の亭主がたれ込んだのであろう。そのことを週刊文春は記事にした。彼が政治部長にもならないときである。それも亭主がこっそり撮った2人の寝乱れた写真付きだったのだ。「あの写真がなければ」と、彼は酒を飲みながら何度もため息をついた。

   会社は慰留してくれたが、責任を感じた彼は新聞社を辞め、離婚して評論家活動を始めた。だが、鬱屈したものがあったのだろう。それに会社勤めではないから歯止めがきかず、昼間から酒を飲んでいたため数年後に肝臓壊死で急死してしまった。たしか40代半ばだったと記憶している。

   私も同じようなことをやってきたからいえる立場ではないが、記事を作るとき、相手に対する「武士の情け」があってもよかったのではないかとは思う。週刊文春が間違った報道をしたのではないのが、一介の新聞記者の人生が1枚の写真で狂ったことは間違いない。

   私は『噂の真相』がなくなってから、編集者や作家たちの情報が読めなくなっていることに不満を感じている。そういう意味では、ときどき週刊文春がやる同業他社批判や出版界のスキャンダル記事はいいと思ってはいるが、どうせやるなら作家や出版社社長クラスの「醜聞」をやってほしいものである。ない物ねだりだということは重々知ってはいるのだが。

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