青森県内で消防通信指令室に掛ってきた1本の119番通報が謎を呼んでいる。先月17日(2014年5月)深夜、119番通報を受けたが応答がなく、ザーザーというノイズ音しか聞こえない。通報者が電話機の前で倒れているのではないか。消防はそう考えて、かけてきた電話の所在地を調べたところ、八甲田山の別荘地にある家からとわかかり、救急隊員10人が現場に急行した。
強風で電話線にトラブル説
救急隊員が到着してみると、家はしっかり戸締りがされ人が入った形跡がない。窓ガラスを割り中へ入って調べたが人気はない。ただ、119番通報の発信元である古いダイヤル式の黒電話を発見した。指令室は電話を切らず信号音を出し続けておいたため、この黒電話が発信元であることは間違いないのだが、受話器は電話機に置かれたままだった。つまりオフの状態だ。
プレゼンターの岸本哲也が現地に行ってみると、地元ではさまざまなうわさ、憶測が飛び交っていた。一つは偽装通話説。電話に詳しい専門家によると、海外の回線を使えば偽装通報もできないことはないという。ただ、可能なのはプッシュホンだけ。そもそも、そんなことまでやってニセ通報する動機が見当たらない。
もう一つ可能性は風のイタズラだ。当時、この地域では最大瞬間風速16メートルの強風が吹いて、NTT東日本によると別荘の電話線が切れかけていた。そこに強い風が当たって通話状態になったのではという説だ。ダイヤル式の電話は番号の数だけ通電と断線を繰り返す仕組みで、9の場合は限られた時間内に9回通電と断線を繰りかえさないと掛からない。風が同じ間隔で通電と断線を繰り返す偶然なんてあるだろうか。
「兵士が歩いているのを見た」という複数証言
残る有力な説は雪中行軍で死亡した兵士説。実は、この場所は1902年冬に陸軍兵士199人が雪中行軍中に遭難死した「八甲田山死の彷徨」に近く、記念碑もある。夜間の別荘を撮影した写真に複数の正体不明の白い球が浮いていたとか、「兵士が歩いているのを見た」という人が複数いるという。
宋美玄(産科医)「私は心霊現象を信じないから、風のいたずら説」
司会の小倉智昭「戸が閉まっていても入れる誰かでしょう。八甲田死の彷徨でまだ見つかっていない人があの辺をさまよっていることはないですかねえ。じゃないと話は面白くない」
機械の誤作動か。それとも何かのメッセージか。昨年11月以来、無言の119番通報が同じ消防通信指令室に6回もあり、いずれも固定電話からだという。