病院の乳がん検査を受けた女性が、良性だったのに検査結果を取り違えられ、別の病院で乳房の一部を切除されるという医療過誤があった。「女性にとっては大変気の毒な医療ミスが起こってしまいました」と司会の小倉智昭が取り上げたが、もうひとつ解せなかったのは、取り違いミスが再チェックを受けることなく、手術をした病院も素通りしてしまったことだ。
手術した別の病院 再検査せずいきなり切除
取り違いミスがあったのは兵庫県高砂市民病院で、女性は4月(2014年)に検査を受け乳がんと診断された。5月上旬に別の病院で乳房の一部切除手術を受けたが、切除部分の検体検査をしたところがん細胞は検出されなかった。
女性が乳がん検査を受けた市民病院では同じ日、50代の女性が乳がん検査を受けており、この女性の検査結果と取り違えていた。病理検査室では担当者が順番に検体の細胞を顕微鏡で確認する作業をしているが、このとき取り違えたらしい。担当者は1人だった。大野徹病院長は「30年ほどこのようなミスは起こらなかったので、1人での対応が可能だと思っっていました。これからは複数での対応を考えたい」と釈明している。しかし、この手の作業ミスは慣れから起きる。人を増やしただけではダメで、チェックの仕組みを工夫しなければまたミスは繰り返される。
こんなミスで大事な乳房の一部を失うのではたまらない。キャスターの菊川怜は「女性にとって、胸は特別なものがありますから、それが返ってこないのは…」と絶句する。
ところで、「とくダネ!」は触れなかったが、手術を行った別の病院は市民病院の検査結果を鵜呑みにし、再検査せずに切除手術を行ったのだろうか。だとすれば、ずいぶん乱暴な手術もあったものだ。この場合、責任の所在は第一義的には市民病院にあるのだろうが、手術を行った病院にも責任があるように思える。