サッカーW杯の会場で日本サポーターが試合終了後のスタンドのゴミ拾いなのだが、ブラジルはもちろん、各国で話題になっている。日本では当たり前の風景だが、愉快なカルチャーショックだ。
人民日報まで「試合に負けても人間性は負けていない」
15日(2014年6月)に行われたコートジボワール戦で、日本サポーターの席にはライトブルーの風船が並んでいるように見えた。神宮球場のヤクルトファンの雨傘の趣き。結構なアピール効果もあった。「面白いことをやるなぁ」と思っていたら、これがゴミ袋だった。
日本が逆転負けをしてガックリのサポーターが、スタンドのゴミを拾い始めたのを見て周囲は驚いた。その動画をYouTubeに載せたものだから、あっというまに広がった。地元新聞も一斉に書く。
「コートジボワールには負けたが、日本人サポーターは勝利を手にしてスタジアムを後にした」(ブラジル紙「ブラジル・ダイアリー」)
「他の国のサッカーファンに衝撃を与えた」(英紙「インディペンデント」)
「日本のサポーターが大勝利」(米ケーブルTV「NESN」)
中国の人民日報までが、「試合に負けても人間性は負けていない」(微博)と書いた。
映像では、ゴミを捨てたあと、雨合羽代わりに巻き付けて歩く日本人サポーターの姿があった。「応援で振って、帰りはカッパ、ゴミも拾って、グッドマナー」と敗戦後のやけっぱちの弁もよし。
1998年初出場のときからやってるんだけどなあ…
林みなほアナ「初めてではないんですね。日本が初めて出場した1998年のフランス大会からやっているそうです」
キャスターの齋藤孝は「人種差別とか暴動とか問題になっているところへ、日本人らしい真面目さがいいですね」と、相変わらず当たり前のことしか言わない。
ともあれ、日本ではそう珍しい光景ではないゴミ拾い、アジア、アフリカでは考えられないことなのか。ヨーロッパでもラテン系の国ではまずないだろう。やるにしても、プロテスタント系の教会とかボーイスカウトとか。理屈が必要だ。
東日本大震災のとき、「掠奪や騒乱がなかった」と欧米が驚いたのを思いだす。車が来ないのに赤信号を待っているのが日本人。どっちが自然かなんて考えない方がいい。