理化学研究所の小保方晴子リーダーが成功したと主張するSTAP細胞は、すでに20年前から研究されている万能細胞の一種、ES細胞の可能性が濃厚になってきた。
論文共著者の若山照彦・山梨大学教授が16日(2014年)に会見を行い、小保方氏が作成したとされるSTAP細胞は若山研究室が提供したのとは違うマウスから作られていたことを明らかにした。第三者機関に解析を依頼して判明したという。若山教授は「STAP細胞があるという証拠はなかった。予想していた中で最悪の結果と思っています。世界3大不正と思われてもしょうがない」と語った。
以前から小保方研究室の冷蔵庫にあったES細胞?
その経緯はこうだ。若山研究室から提供を受けたマウスを使ってできたとされる小保方氏のSTAP細胞を使って若山教授が培養しSTAP幹細胞を作成し、さらにそれをもとに万能性のあるキメラマウスを作った。今回、保管していたSTAP幹細胞を第三者機関に解析を依頼した結果、若山教授の研究室のマウス由来とはまったく異なる遺伝子情報が出てきた。
「大前提となるところが崩れてしまった」(若山教授)というSTAP細胞のマウスはいったい何なのか。謎を解くカギは小保方研究室の冷凍庫にあった。ESのラベルの張ってある容器があり、理研が遺伝子情報を調べた結果、若山教授が解析を依頼したSTAP幹細胞の特徴と酷似していることが分かった。遺伝子情報に詳しい東大の菅野純夫教授は「結局、ES細胞だったのではないか。あってはならないミスだ」という。はたして単なるミスなのか。意図的にすり替えたのか現時点ではわからない。