東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土など、放射能廃棄物の中間貯蔵施設の建設をめぐり、石原伸晃環境相はきのう16日(2014年6月)に記者団に「最後は金目でしょ」と口走って、候補地の住民の憤激をかっている。
福島猛反発!「気持ちを踏みにじる」「金が目当てだと誤解」「金ではなく復興」
中間貯蔵施設の建設候補地は、第1原発に接する福島県の大熊、双葉両町で、政府は15日に住民説明会を行った。石原はこの報告のため菅義偉官房長官を訪れ、報告内容などを記者団に語るなかで「金目発言」が飛び出した。
歩きながら「今後の日程は?」と記者に質問され、「今後の日程について話しました。最後は金目でしょ。(菅氏は)こちらが提示した(補償の)金額について、とくに何も言っていませんでした」
「最後は金目でしょ」とは、地元への交付金や地権者への補償金を指す。金で解決する意図と受け止めるのは当たり前だ。
当然、地元は反発した。佐藤雄平知事は「非常に残念で信じられない。住民の気持ちを踏みにじる発言だ」。双葉町の伊沢史朗町長は「困る発言だ。補償や賠償など金が目当てだと誤解を招く」と怒る。「金ではなく、貯蔵施設の問題を早く解決してもらって復興したい」という住民もいた。
「お金の問題です」と「金目でしょ」では意味違う。
石原はその後、「お金で解決するなんて1度も言ったことはない。住民説明会で金銭の話がたくさん出た。最後はお金の話になるが、具体的な内容は受け入れが決まるまで説明できないという意味だった」と釈明したが、生活支援策や用地買収価格について交渉の最中だけに、いきなり「金額だろ?」といわれては、地元の立つ瀬がない。
国語の先生であるキャスターの齋藤孝「小ちゃいことなんですけど、凄く大きいんですよ。『お金の問題です』というのと『金目でしょ』というのとは違う。福島の人たちは傷つきますよね」
井上貴博アナ「たとえニュアンスが違ったんだとしても、故郷に帰れない方々がいるわけですから」