派遣会社社長「単なる労働者ではない。経済支えるパートナー」
日系人は3世までは働く期間・職種に制限がない。他の外国人よりは有利なはずだが、ここにもカベがあった。愛知・一宮市の派遣会社の林隆春社長は、30年前から日系ブラジル人を製造業へ送り込んできた。10年経ったころ、日本社会で孤立して心を病む人が多いことに気づいた。2009年のリーマンショックのときは、林さんが派遣していた2800人のうち2200人が失職した。
林さんはいま、会社とは別に外国人支援のNPOを運営している。日系人の父親と3歳の時に来日した18歳の女性は、家計が苦しく高校へ行けなかった。住む家もなくなり、路上生活までしたという。
林さんは「世間は単なる労働力と考えますが、ボクらはパートナーで、社会の中で共に暮らす存在なんです。お互いがウインウインの関係を作ることが大事」といった。
日系ブラジル人の現状は日本社会に受け入れの準備がないことを示した。単純労働を認めないといいながら、単純労働者としか見ていない。要らなくなったら「出ていけ」だ。丹野教授はズバリ「哲学がない」といった。その通り。日本はずっと人を「外へ出す」国だったのだ。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2014年6月12日放送「シリーズ 人手不足ショック(2)どう向き合う外国人労働者」)