東京・町田市の病院で透析患者のチューブが医師によって引き抜かれていた。患者は周囲に助けを求めて無事だったが、医師は警察に自首し殺人未遂の疑いで逮捕された。
赤江珠緒キャスター「警察の調べに対して、『誰でもいいから殺して死刑にしてもらおうと思った』と供述しているそうです」
おいおい、無差別殺人かよ。
20分後に警察署に自首
事件が起きたのはおととい11日(2014年6月)午後8時ごろで、町田市の「あけぼの第二クリニック」で、所長の内科医・橋爪健次郎医師(49)が腎不全で人工透析を受けていた患者(50)の透析機からチューブをはずした。橋爪は血の付いたズボンのまま車に乗り込み、病院を離れたが、20分後に「人を刺した」と町田署に自首した。
警察の調べによると、橋爪は午後5時に診療を終えて病院をいったん出た後、「誰かを殺そうと思い病院に引き返した。だれでもいいから殺して死刑になりた」と供述したという。
人工透析は腎不全患者の血液をいったん外に出し、毒素を抜いて戻す治療だ。専門医の話では、1分間300CCの血液を体内から取り出す。途中でチューブが抜けると大量出血し命にかかわるが、体重70キロの人なら5分でそうなるという。
橋爪はこの日、午前8時半から午後5時までの勤務で、病院事務長は「過剰勤務とは言えない」としている。
所太郎レポーターはこう伝える。「このクリニックでは今年3月までは常勤医師2人に非常勤医師1人の診療態勢だったのですが、4月から常勤1人と非常勤3人にかわり、常勤の橋爪医師は1日50人の患者を診ていたと言います。『大変だなあと思っていました』と話す女性患者もいます」
警察の調べに「半年ぐらい前から眠れず、睡眠薬みたいなものを飲んでいた」と話しているという。
オーバーワークが日常茶飯の透析専門医
透析患者は全国に31万人もいるが、専門医は3000人台しかおらず、医師のオーバーワークが懸念されている。
司会の羽鳥慎一「労働時間だけでは分からない問題もあるのではないですかね」
飯田泰之(明治大准教授)「労働基準法にはそっているが、個人的問題も十分に見ていかないと。精神的問題などがあるようなら、早く発見して大きなミスにつなげないことが大切ですよね」
吉永みち子(作家)「死刑を自殺の代わりにするというのはとんでもないことなのですが、真面目で几帳面な人ほど一人で悩んで追いつめられてしまうということは珍しくないですよね。周囲がそれに早く気付いてあげるということなのでしょうけど…」
患者の間では「親切ないい先生」「質問に丁寧に答えてくれる先生」と評判がよかった。