中国外務省報道官はきのう10日(2014年6月)の定例会見で、南京大虐殺と従軍慰安婦をユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したことを明らかにした。いずれも日中事変や第2次大戦で日本軍が関わった事柄で、日本政府は抗議・取り下げを求める方針だ。
韓国と連携して「嫌日」国際世論作り
中国の報道官は、申請の目的を「歴史を明記し、平和を大切にし、人間の尊厳を守り、人道に背き人権を侵害した反人類の罪の再発防止のためだ」と述べた。提出した資料は真実で、歴史的価値があるともいう。従軍慰安婦については、韓国も同様に申請をする意向で、両国が歴史問題で連携して日本への圧力を強める狙いがあると見られる。
これに対して菅義偉官房長官は「かりに中国が政治的意図を持ってこの案件について申請したものと判断されれば、抗議のうえ取り下げるように申し入れを行いたい」と語った。なんとまあ、優柔不断ないい方じゃないか。おまけに菅はいつも伏し目がち。記者を睥睨するようにしゃべる中国の報道官と並べて外国で放送されたら、それだけで勝負あったとなりかねない。
「かりに」も何も、日本にとって触れられたくない過去をいまあえて言い立てるというだけでも政治的意図は明らかだ。中韓の連携も読みとれる。
さらにいえば、現在の尖閣諸島や南シナ海の状況からすれば、「平和を大切に」とは言いも言ったり。国内の状況を棚に上げて、「人間の尊厳」「人道」「人権」とは片腹痛い。これがもし個人だったら、絶対につき合いたくない人間といっていいだろう。
ただ伝えるだけでいいのか「あさチャン!」―みのもんたならなんか言ったぞ
かつての「朝ズバッ!」なら、たとえどうにもならない事柄でも、みのもんたが必ずかみついて、コメンテーターが突っ込みをいれて、溜飲を下げるという展開になった。少なくともニュースを判断する手がかりを提供していたのだ。「あさチャン!」になってそうした論評も感慨も突っ込みも嫌味も一切なし。コメンテーターもなしで、ニュースの繰り返しにすぎない。それも深くは突っ込まず、短信のら列のおもむきだ。これでは視聴率だってとれまい。「報道のTBS」はどこへいった、といいたくなる。