がん保険が支払われない!?抜け道だらけの契約―「あなたのがんは対象外です」
私も以前からアメリカ資本のがん保険に入っているが、保険会社がいざという時に本当にカネを払ってくれるのだろうかという心配は常にしている。なんだかんだと難癖をつけて払わないのは、マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」を見て知っているだけに不安だが、週刊現代がこの問題を追及している。
<東京都在住の68歳の男性は、こう憤る。昨年、健康診断で体調に異常が見つかり、内視鏡手術で切除した。医師からは、「早期の大腸がんです」と告げられた。
男性は、45歳からがん保険に入っていた。会社の上司が肺がんを患い、長期入院の末、退職せざるを得なくなったことがきっかけだ。
加入したのは、がんと診断されたら一時金として200万円、入院1日につき1万円がもらえる保険。月に8000円弱の出費となったが、「収入がなくなり、治療費で貯金が取り崩されることを考えれば必要経費。安心をカネで買ったようなもの」だった。
それから23年。ついに「その日」が訪れた――と思ったら、自分のがんは「対象外」と冷たく見放されたのである。がんを患ったという事実に加え、保険金が支払われないという二重の衝撃に、当初、絶望するしかなかったという。
「保険会社に抗議の電話をすると『お客様のがんは、ごく早期のがんで、ご加入のがん保険では対象外となります』と取り付く島もない。約款にはきちんと書いてあるというのです。でも、そんなこと加入当初に説明された覚えはありません』>(週刊現代)
私を含めて多くの人たちが不安に思っていることが、この男性の身に降りかかったのである。といって、いまさら約款を読み直すほどの気力もない。どうすりゃいいのか。がんの保険金が出ないケースは、大きく次の5つに分けられるという。
(1)保険金が支払われない種類のがんがある。(2)加入後、すぐにがんになったらアウト。(3)入院しないと保険金が出ない。(4)病歴告知をミスすると保険金が出ない。(5)再発したらアウト。
2人に1人ががんで死ぬといわれるのだから、それでも万が一のための保険として、がん保険に入っておきたいと思う人も多いはずだ。だが、これが大いなる間違いだと週刊現代はいう。<「国立がん研究センターが出しているがん罹患リスクを年代別に見てみると、例えば50歳の男性が10年後までにがんにかかる確率は5%。60歳の男性でも、10年後までにがんになる確率は15%。つまり、現役世代だと、がん保険は90%ほどの確率で出番がないと思われます」(一般社団法人バトン「保険相談室」代表理事・後田亨氏)>
では、高齢者はがんになる確率が高いから入っていたほうがいいのだろうか。ファイナンシャルプランナーの内藤真弓氏はこうアドバイスする。<「60歳以上の人が新たにがん保険に入る必要はないと思います。
高齢者の場合、体に負担のかかる治療はできなくなる可能性もありますし、70歳以降は医療費負担も下がります。預貯金が少ない場合は、定期付き終身保険を解約して、返戻金を受け取り、それを治療費に充ててもいい。つまり、高齢者はがんになる確率が高まるけれど、がん保険の必要性は低くなっているわけです」>
すぐ解約しようか。ここまでかけてきたんだからいまさらなあ。保険というのは『騙される』リスクも背負い込むということなのだろうか。読んだらますます不安になってきた。