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「すき家」アルバイトたちの反乱!ワンオペでこき使われ、強盗に狙われ…「もう、やってられないよ」

   お次は、「ゼンショーホールディングス(HD)」が運営する牛丼チェーン最大手「すき家」で、アルバイトたちによる反乱が広がっているという記事。週刊ポストによれば、今年3月ごろから「パワーアップ工事中」という張り紙が都内を中心に「すき家」の店舗で目につくようになったという。繁華街の中心にもあり、そのほとんどは事実上休業しているのだそうだ。

   原因はバイトが一斉に離職してしまったために生じた人員不足からで、その引き金を引いたのは「すき家」が2月からライバルの「吉野家」に続いて発売した「牛すき鍋定食」だった。元アルバイトの学生がこう憤りを込めて語っている。

<「すべてはワンオペが原因です。あんなメニューが出たら、1人じゃ絶対に店を回せない。それでも、当初は皆ガマンして何とか頑張っていたが、そのうちに耐えられなくなり辞めてしまった」>

   他の牛丼チェーンでは1店舗につき社員を含む2名以上の店員を配置しているのが一般的だが、「すき家」ではアルバイト1人だけで店舗を仕切る「ワンオペレーション」という運営システムが導入されているそうだ。たしかに、ときどき近くの「すき家」へ行くが、混んでいるときでもほとんど1人でやっている。

   さらに、ワンオペは防犯上の問題も孕むという。「すき家」では10年ごろから強盗事件が多発し、11年に発生した被害は未遂も含めると78件で、牛丼チェーン被害総数のうち9割近くを占めた。アルバイト活用コンサルタントの植竹剛氏がこう話す。

<「過重労働が問題視され始めた30年前は、まだ泣き寝入りするか、仲間意識も強いので何とかみんなで労働環境を改善しようという職場が多かった。それが今では『安い給料でこき使いやがって。困らせてやろう』という報復型に変質しつつある。1人ではできなくても、ネットのSNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及で仲間を募ることができるようになり、連帯感が生まれた」>

   こうした問題は「すき家」のような牛丼チェーンだけではなく、コンビニや居酒屋チェーンでも抱えている。今は少しぐらい時給を上げてもアルバイトが集まらないため、「ワタミ」なども困り果てているそうである。そのうち店員は一人もいなくて、自動販売機でメニューを選び、窓口の差し込み口に券を入れるとロボットの手が出てきて「はい、おまち~」と自動音声とともに牛丼や酒のつまみが出てくるシステムになるのだろうか。味気ないね~。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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