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中国・天安門殺戮直前、私もあそこにいた!あれから25年―当時と変わらない恐怖政治

   今から25年前の6月2日、私は北京の天安門広場にいた。あふれるほどの若者が広場を埋め尽くし、隅のほうではハンガーストライキをする集団もいた。だが、雰囲気は日本に伝えられているような緊迫したものではなく、アイスキャンディ売りがそこここにいて、炎天下の慈雨となっていた。

   その日の夕方、私は日本に帰った。「天安門事件」が起きたのは2日後である。私が知る限り、天安門に集まった学生や若者、労働者たちに「政府を転覆させよう」という差し迫った動きはなかったように見えた。

   だが、怯えた鄧小平ら指導者たちが人民解放軍を出動させ、戦車や実弾を発射して天安門前に集まっている多くの人たちを殺戮したのだ。この様子はCNNのカメラが衛星を通して生中継して全世界の人々の知るところとなり、中国政府への怒りを燃え上がらせた。

   今年も天安門事件を前に、習近平は次々と改革派知識人らを拘束し、北京市内では前例がないほどの厳戒態勢が敷かれていると週刊文春やニューズウィーク日本版が伝えている。

   往時とは中国の経済力は大きく変わったが、中身は民主国家とはほど遠い恐怖政治の国そのままである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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