横田めぐみさんは帰ってくる!『週刊文春』推測記事信じたいが、『週刊新潮』は「帰せない重大事情」

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

ロイヤル・ファミリーの裏側知り過ぎてしまっためぐみさん…北朝鮮にとっても「大事な人」

   週刊ポストには北が返すかもしれない拉致被害者の名前は松本京子さん以外挙がっていないが、『週刊文春』では横田めぐみさんが帰ってくる可能性があると報じている。元警察最高幹部によれば、そもそも北朝鮮のいう再調査など必要ないという。<「北朝鮮では外国人、中でも日本人は、保衛部が所在を完全に把握している。あとは交渉に応じて『誰をどの順番で出すか』だけの話です。おそらく、一度に複数の被害者は帰さず、『小出し』にしてくるでしょう」>

   しかし、北朝鮮側がすでに死亡しているといっていためぐみさんが帰ってくれば、日朝関係が激変する可能性もある。安倍総理の側近は期待感を露わにしてこう語っている。<「じつは官邸は、横田さんの件で『ある感触』を得ています。モンゴルでウンギョンさんに会わせたのも、そのシグナルのひとつと見ています。めぐみさんを帰すことで、北が一気に日本との距離を縮めてくる可能性も否定はできません」>

   『週刊新潮』に至っては「再調査で4人帰る」とし、日本政府はめぐみさんの生存を「絶対確信している」と報じている。当初、北朝鮮は彼女について、うつ病で精神が不安定になり、93年3月、病院で自殺したと説明していた。もっとも、死亡証明として提出してきた証拠は嘘にまみれていたが。

   拉致問題に取り組んだ実績のある閣僚経験者はこう力説する。<「少なくとも2012年の段階では、外務省も拉致問題対策本部も、めぐみさんは生存していると確信していました。というのも、日本政府は、拉致問題の全容を把握する極めて有力な大物幹部を情報源に持っていた。その大物高官が、『生きているのは間違いない』と断言していたからです」>

   だが帰せないのだという。<「めぐみさんを含め、向こう側が死亡認定した拉致被害者を返還できないのは、国家機密に関わる情報を知る『大事な人』だからです。とりわけ、めぐみさんは、『ロイヤル・ファミリー』の中枢部分すら垣間見てしまっている。(中略)彼女は94年からの2年間、金正日の次男・正哲、そして当時10歳で、今や権力を継承した三男・正恩の日本語家庭教師を務めていた」(「救う会」の西岡力会長)>からだというのだ。にわかには信じがたい「めぐみさん帰還説」だが、北朝鮮側が日本に歩み寄ってカネをせしめ取ろうというのだから『可能性』はあるような気もする。

   だが、安倍首相は焦って前のめりになる前に、曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんの「忠告」にも耳を傾けたほうがいい。<「北が日本との交渉に応じるのは、日本から何がもらえるかを見通しているからだ。(中略)安倍総理に電話して、『北朝鮮はいつもお前を利用しているぞ!』と警告したい。

   私は北に39年もいたんだ、北のやり方は知っている。安倍総理には、こう言いたい。『北朝鮮が結果を持ってくるまで、何一つあげるんじゃない』と。北は受け取れるものを先に受け取って、最後にこう言うだろう。『拉致被害者は見つかりませんでした』と」>

   たしかに功を焦る安倍首相が金正恩の術中にはまるのではないか心配である。したたかさでは年は若いが金正恩のほうが上かもしれない。この時期を選んで、北朝鮮の国家安全保衛部の新ミスターX(週刊新潮によればキム・ジョンチョルという人物だそうだが)が安倍首相側に接触してきたことを考えても、そう思わざるを得ない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

姉妹サイト