横田めぐみさんは帰ってくる!『週刊文春』推測記事信じたいが、『週刊新潮』は「帰せない重大事情」

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利害一致した安倍首相と金正日第一書記…「核問題でオバマを見返したい」「習近平に一矢報いたい」

   今週の週刊誌が競って書いているのは、近々、安倍晋三首相が北朝鮮に行き、拉致被害者が帰ってくるのではないか、帰ってくるとすれば誰と誰なのかという『推測』記事である。まずは『週刊ポスト』から引用してみよう。

<スウェーデンのストックホルムで5月26日(2014年)から開催されていた日朝局長級協議終了後の29日、安倍首相は「北朝鮮政府との間で、拉致被害者を含むすべての行方不明者の全面的な再調査で合意した」と発表し、経済制裁の一部解除に踏み切った。
   官邸にとっては、今回の再調査合意も、今年の3月から動き出した「首相の電撃訪朝シナリオ」の一幕に過ぎない。
   実は安倍首相はすでに3月末、政府専用機を運用する航空自衛隊に対して、「北朝鮮のフライト準備」を指示していた>

   週刊ポストによれば、北朝鮮サイドから「調査の落とし所として生存者リストを提出する」という確約が取れたので、制裁解除まで踏み切ったのだと外務省筋が語っている。さらに、外務省筋は「北朝鮮はこれまで名前が上がったことのない人物を含め、3人ほどリストにあげてくるという感触を得ている」と明かす。

   たった3人と思うが、それは置いておくとしても、北朝鮮が歩み寄ってきたのはそうとう困っているからに違いあるまい。中国は親中国派の張成沢・元国防副委員長を金正恩第一書記が粛正したことに怒り、北朝鮮への物流をストップしたことで、平壌でもストリートチルドレンが出現しているといわれる。

   北朝鮮は庇護者だった中国と事実上の冷戦状態にあり、韓国との関係も最悪である。アメリカとは核開発をめぐる6か国協議再開のメドも立っていない。それを見た安倍政権はいま、アメとムチを使い分けて北朝鮮に決断を迫っているというのだ。

   アメは北朝鮮がこだわる朝鮮総連本部ビルの保全だ。政府とつながりのある民間企業に意を含めてビルを買わせておき、将来は北朝鮮大使館として使わせてやってもいいというサインだと公安筋が語っている。一方のムチは、この5月に入って神奈川県警、京都府警などが総連関連企業に一斉に不正輸出の容疑で強制捜査をかけたことだ。

   安倍首相のほうにも北朝鮮カードを使わざるを得ない事情があるという。経済面ではアベノミクスが息切れのうえに、消費税増税不況が忍び寄り、外交では米中韓との関係悪化を乗り切る道筋が見えてこないからだと週刊ポストは書いている。安倍側近議員がこう語る。

<「日朝国交正常化は総理の看板の『戦後レジームからの脱却』の大きな一歩になる。オバマ大統領はこれまでに北の核開発問題解決に何の成果も上げていないから、総理が道筋をつけることができれば、それこそ大嫌いなオバマ大統領の鼻を明かすことができる。
   そのためにはなんとしても訪朝したいと並々ならぬ意欲を燃やしている」>

   安倍首相はよほどオバマ大統領が嫌いのようだ。オバマ大統領を見返したい安倍首相と、中国の習近平主席に一矢報いたい金正恩、お互いの利害が一致するというわけだ。ともに3代目の「お坊ちゃん政治家」でもある。安倍首相は最近、周囲に「俺はオバマより金正恩のほうが気が合う」とこぼしているが、まんざらジョークでもないのだろうと週刊ポストが書いている。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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