STAP細胞論文の主著者、理化学研究所ユニットリーダーの小保方晴子氏が、主論文の撤回に同意した。ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授も同意しており、STAP研究は白紙にもどることになる。しかし、小保方氏は「それでもSTAP細胞は存在する」といっているという。
代理人弁護士「本意ではない。検証実験に参加するため」
英科学誌「ネイチャー」に掲載された論文は2つあり、作成方法などを示した主論文に画像のねつ造、改ざんがあったとして、理研は5月(2014年)、撤回を勧告していた。補完論文の撤回にはすでに応じているが、主論文の撤回には「自ら間違いだと認めることになる」(4月の会見)として、小保方側は応じてこなかった。
今回の撤回はネイチャーからの打診だった。論文を支持していたバカンティ教授がこれを受け入れ、小保方氏にも伝えた。小保方氏はおととい3日(2014年6月)、共著者の丹羽仁史プロジェクトリーダーに書面で主論文撤回に同意の意向を伝えた。
しかし、きのう会見した代理人の弁護士は「本当の気持ちではない。本当なら同意したくないといっている」といい、理研の検証実験に参加するため、(撤回に)応じざるを得なかったと説明した。本人は「論文撤回で事実そのものがなくなるわけではない」と話しているという。
理研「業績横取り」狙って虻蜂取らず
この件を検証している理研改革委の岸輝雄委員長は「撤回とSTAP細胞の有無とは別だと理研は考えているようだ」として、「検証作業に小保方氏も関与すべきだ」と述べた。
けさ5日の「スポーツニッポン」は、小保方氏の採用は優遇的におこなわれていたと伝えた。理研の報告書によると、STAP細胞の研究を重視した理研が、科学者として実績のない小保方氏を特例的に採用し、理研の業績にしたいという思惑があったと指摘しているという。
キャスターの齋藤孝「これで科学的には白紙に戻る。信用失墜ですよね」
井上貴博アナ「日本全体の信用失墜にもつながるのでは」
今月中にも小保方氏の処分が決まるというが、STAP現象を支持している人は他にもおり、検証の結果への期待はゼロではない。問題は理研の姿勢で、「不正があった」としながら、調査をしないなど奇妙な対応に内外から批判がでている。