日本が初戦を戦う「レシフェ」警官ストで商店略奪
さらに政府を悩ませているのが反対デモだ。ブラジル代表チームのバスを取り囲んだデモ参加者は「この国が優先すべきはワールドカップではない」と声を強める。参加した教師は「学校では水がない、生徒がすわるイスも足りない」と語る。物価高に庶民が苦しむ一方で、会場や周辺の建設をめぐる政治家やゼネコンの利権も見えてきたことで、「ワールドカップを人質に政府に不満をぶつける」(中丸)状態がつづく。
治安の悪化も深刻である。日本が初戦を戦うレシフェでは警察官が待遇改善を求めてストを決行したため、商店では略奪が横行するありさまだ。ブラジルの犯罪発生率は日本に比べて、殺人は数十倍、強盗数百倍という。
もちろん、サッカー王国だけに盛り上がり他も半端じゃない。ユニホームの売れ行きは好調で、街の声は「建設にカネがかかりすぎたが、始まったら忘れるね。勝つのはブラジルさ」とすっかりW杯気分だ。
コメンテーターの岩上安身(ジャーナリスト)「ワールドカップの喜びと怒りが同時に、ものすごい熱狂とともに進むことは確実です」
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト