「土用の鰻」今年は安い!?稚魚の漁獲2倍で「値下げも検討」(老舗うなぎ店)

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   この2、3年、高値が続いている「うなぎ」が今年(2014年)は安くなるかもしれない。昨年までばったり獲れなかったシラス(稚魚)が、今年は2倍も獲れたという。それがいま養殖池で育っている。

   暑くなると「うなぎで元気を」と思うのは日本人の証でもある。回転寿司チェーンでもうな丼が出たりして、売る方もあの手この手。しかし、問題はやっぱり値段だ。蒲焼きは100グラム当りで、2010年4月には888円だったが、2014年4月は1283円だ(総務省)。原因は乱獲で(?)稚魚が獲れなくなったことだが、もともとうなぎの生態はよくわかっていない。数が減れば高値になるのは道理だ。

   ところが、今年に入って「2倍くらいの稚魚が入りました」と、養殖うなぎのトップ、愛知・一色うなぎ漁業協同組合はいう。「このままだと仕事がなくなると懸念していたが、少し期待が持てるようになってきた」という。

取引価格は去年の半値以下

   水産庁の調べでは、稚魚の仕入れ量は2012年に15.9トンと激減し、13年はさらに12.6トンまで落ち込んだ。今年は4月23日時点で23.2トンになっている。これに伴って、稚魚の取引価格も過去最高だった昨年の1キロ248万円から、半値以下の115万円前後になると予想されるのだ。国産うなぎは2、3週間前から出荷が始まっていて、相場が下げ始めているので、「夏には間違いなく下がっていく」というのが業界の読みだ。

   老舗の「鰻 渋谷松川」の代表・三田俊介さんは「この4年間で、どこの蒲焼き屋もやりくりして、あっちの引き出しこっちの引き出しで補填してきた。相当な苦労の4年間でした。動きを見ながら下げていくことも検討されるでしょう」という。松川も4年前、うな重を400円程度値上げしていた。「いまの値段がいいと思ってる人はいない」

   スーパーでもうなぎ売り場のスペースはどんどん減った。「土用の丑の日ですら減らした。これを増やせるか、自分たちも期待しています」(生鮮スーパー「アキダイ」)という。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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