安倍内閣は再稼働まっしぐら!でも、日本はただいま世界で唯一の「原発ゼロ実現国」という皮肉
『週刊現代』は元経産官僚の古賀茂明氏と経産省と電力業界、政界との闇を告発した小説『原発ホワイトアウト』を書いた覆面のキャリア官僚・若杉冽氏との対談で「原発はもう動かすな」と主張している。いくつか発言を拾ってみたい。
<若杉 日本では「電力会社が潰れると、電気が止まってしまって大停電になる」という神話を信じこまされていますが、そんなバカな話はあり得ません。会社が破綻しても、電力を供給しながら再建計画を立てればいいだけのことなんです>
<若杉 日経新聞などのメディアは「原発が止まったせいで燃料の輸入が増えて貿易赤字が拡大している」と騒いでいて、原発を再稼働しないと日本が凋落するかのように報じていますが、これもおかしな話です。確かに貿易赤字は増えていますが、実は燃料の輸入量は増えていないのです。
古賀 日経新聞は貿易赤字の原因として必ず「原発が止まっているから」と言い続けてきました。さすがに最近はそういう論調を抑えてますね。むしろ円高の影響や輸出が伸びないことのほうが大きいという事実が明らかになって、自らの間違いに気が付き、恥ずかしくなったのでしょう。
そうなると客観的に見て、原発を動かす必要性がありません。ドイツやスイス、イタリアなど原発ゼロを目指している国が世界にはいくつもありますが、まだどこも達成できていません。一方、日本政府は必死になって「原発ゼロなんてありえない。必ず再稼働する」と言っているのに、実際は原発ゼロでやっている。なんだか皮肉な話ですよね。>
<古賀 いまや、福島では新しい利権システムが完全にでき上がってしまいました。東電ができないなら、国が何でもかんでもサポートしてくれるのですから、それも当然です。汚染水のタンクの発注から、遮水壁、凍土壁、廃炉まで、何兆円もの公共事業を経産省がすべて差配している。談合をくり返してきた国交省とまったく同じやり口です。
鹿島建設と東電が共同で遮水壁を落札した時も、公募期間が20日間で、もちろん応募は彼らだけ。他社は参入する時間の余裕がないですからね。表向きは「世界の叡智を集めて問題解決に当たる」なんて言っていますが、実際はひどいものですよ。>
<古賀 日本はあれだけの事故を経験しているのに、今また「安全神話」が復活しようとしている。関電は、福井地裁の判決が出た翌22日に控訴しました。喉元過ぎれば熱さ忘れる、というような気持ちでいると、間違いなく取り返しのつかないことになりますよ。>
読者諸兄はどちらのいい分が正しいとお思いか。