札幌市厚別区の緑地でおととい28日(2014年5月)に見つかった女性の遺体は、今月4日から行方不明になっていた近くに住む養護施設職員、伊藤華奈さん(25)と確認された。遺体の状況から殺人・死体遺棄とみられる。しかし、失踪時を含めて事件にナゾは多い。
事件後の住民清掃活動でも発見されず
北海道警は指紋から伊藤さんと確認したが、遺体は腐乱状態で司法解剖でも死因の特定はできなかった。遺体は窪地に置かれ、大量の落ち葉がかけられていた。衣類はほとんどつけておらず、近くから遺留品も見つかった。
しかし、この緑地は22日までに4回も捜索が行われており、現場付近に警察官が入っているのを住民が見ている。しかし、そのときは何も見つかっていない。11日には地元住民が清掃もしており、前日に通った女性も「あったらわかる。臭いもしなかった」といっている。
伊藤さんが姿を消したのは4日の午前1時すぎ。6月に婚姻届を出す予定だった婚約者と口論となり、家を出たのが0時40分頃だった。「1人では危ない」という婚約者を振り切って出た。その後、0時56分にLINEで友人とやりとりがあり、その4分後に婚約者に「警察を呼んで」と電話があったあと、消息は途絶えた。
遺体発見場所は緑地の入り口から数十メートルのところで、伊藤さんの自宅までは700メートルだが、緑地は東京ドーム7個分と広大で、雑木が密集していて、獣道のような小径が入り組んで雑草も深い。踏み込んだ大竹真レポーターも「夜は灯りもなく、真っ暗でしょうね」という。
遺体のそばに遺留品ばらまいた?
こうした状況から、伊藤さんの遺体は発見の直前に何者かが運んできて置いた可能性が高い。それまでの3週間、腐敗が進む遺体をどこに置いていたのか。また、どうやって運んできたのか。
菊地幸夫(弁護士)「遺留品が見つかったというが、それが伊藤さんと関わりがあるとすると、犯人は遺体だけでなく、遺留品も持って来てばらまいていることになりますよね。むずかしい事件です」
司会の加藤浩次「緑地は携帯の電波が途切れた場所から近いんですよね。途切れた場所を調べていないとは考えられないですが…」
菊地「警察犬も使っているでしょうから、あれば臭いで見つかっているはず。運んできたというのは異例ですね」
香山リカ(精神科医)「私は北海道出身で、子どもの頃にこのあたりも行っていると思うんですが、緑地といっても原生林みたいなもので、警察の見落としもありうるんではないでしょうか」
加藤「犬の散歩の女性が見つけてるんだから…」
キャスターのテリー伊藤「車を止めたところから、腐乱した死体を数十メートルも運ぶってのは大変ですよ。ホントにやったのか?」
状況からは結論が出ない。当然、かなりはっきりした足跡が残っているはずだ。例によって、警察はまだ何かをつかんでいるのだろう。難儀なことだ。