ブノワ賞を知ってる人はどれだけいるだろうか。「バレエ界のアカデミー賞」なのだそうだ。これを日本人が初めて受賞したと、きのう28日(2014年5月)に速報で伝えられた。受賞したのは木田真理子さんで、失礼ながらこの人のことも知らなかった。でも、凄い日本人はいるもんだ。
スウェーデン王立バレエ団の第1ソリスト
おととい27日にモスクワで行われた授賞式の様子が流れた。木田さんは「自分が呼ばれたって全然気づかなくて、司会者に『マリコ、来て』といわれて、『あっ、私だったんだ』と気づきました」と笑う。30歳。素敵なアラサー。「やっとというか、今までがんばってきて、またこれからが大切です」
この賞は去年1年間に最も活躍したダンサー・振り付け師などを顕彰するもので、世界の名だたるバレエ団のすべての活動のなかでのナンバーワンということだ。アカデミー賞といわれるのもそのためである。過去の受賞者には、バリシニコフ氏らが名を連ねている。
木田さんはスウェーデン王立バレエ団に所属していて、小柄というハンディを乗り越えて第1ソリストを務めている。昨年の「ジュリエットとロメオ」で演じたジュリエットが評価された。木田さんはこの作品を踊りたくて王立バレエ団に移ったのだという。
振付師のマッツ・エックの振り付けは速いテンポと激しい動きが6分も続くシーンもある。「普通は1分、2分ですから、体力的にも大変な役柄」 と東京バレエ協会理事の小山久美さんはいう。
身長のハンディ乗り越えて評価されたジュリエット
大阪育ち。4歳からバレエを始め、一緒に練習した仲間によると、いつもニコニコしていて、ちょっと天然でみんなを楽しませてくれたという。しかし、2000年の雑誌のインタビューに、「鏡が体重計なんです。鏡の前でレッスンしてるから、ちょっと太ったななんてすぐわかる」と話している。16 歳にして、すでに厳しい食事管理について語っていた。
そして高校1年生のこの年、ローザンヌ国際バレエコンクールに挑戦した。当時指導していた宗田静子さんによると、「際立って光り輝くという感じではまだなかったけど、目的がはっきりしていましたね」と語る。ここで158センチという身長のハンディを乗り越え優秀賞を得た。
この年、サンフランシスコのバレエ学校に留学し、18歳でカナダのバレエ団、2012年にスウェーデンのプリマになった。「ジュリエット」の主役に抜擢されたが、稽古中に右のふとももを負傷した松葉杖の彼女にエック氏がかけた「あなたじゃないとできない」という言葉に励まされたと、木田さんは話す。同じバレエ団の児玉北斗さん(32)と昨年婚約した。サンフランシスコの学校以来の仲だとか。
司会の加藤浩次「バレエはよくわからないけど、凄い人がいる」
坂口孝則(経営評論家)「経済で3Kというと、高齢者、環境、観光なんですが、もうひとつ、稽古というのがあって、バレエスクールが増えているんです」
加藤「年配の人がやってるんですか」
坂口「そう。木田さんの受賞でバレエが注目を浴びるのはいいことですよね」
キャスターのテリー伊藤「ボクらは賞をとって初めて注目するわけですけど、子どものときからの積み重ねなんだよね。偉いなぁ」