「いいよー、カワイイよー」
バシャバシャとカメラのシャッター音が鳴り響く。モデルはグラビアアイドルの橋本マナミだ。ありふれたグラビア撮影の光景のようだが、何かが違う。それもそのはず、撮影現場は自衛隊の駐屯地なのだ。掲載誌は自衛隊広報誌「MAMOR(マモル)」で、毎号、制服を来たアイドルが次々と登場している。そのMAMORが今、若い女性の間で静かな人気を呼んでいるという。
表紙はグラビアアイドルの自衛官制服姿
MAMORは先月号でこれまでの最高部数3万3000部を記録した。表紙にはこれまでに石川梨華や熊田曜子らが登場している。当初は軍事関係の写真、訓練中の隊員の姿など、まあ、普通の表紙だった。大胆にイメージチェンジしたのは創刊2年目だった。、MAMOR編集長の高久裕氏はこう話す。
「本当は創刊号からアイドル起用をやりたかったのですが、最初は恐る恐るで手探り状態でした。アイドルやタレントを起用すると、本人がブログなどに書いてくれるので、自衛隊に興味のない人にも自衛隊や雑誌をアピールできるんです」
司会の夏目三久「いまでは現役の自衛隊幹部も企画会議に参加しています」
ある日の企画会議では、海上自衛隊幹部が「好きな作業、嫌いな作業というのはどうだろう」と提案したが反応はいまいちだった。防衛省官房広報課の担当者は「どういう企画なら若い人たちに興味を持ってもらえるか。通常の広報業務とは違い、興味を持ってもらえる企画を考えるのに自衛官も苦労しています」という。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト