世界遺産を傷つけられたと、中国にエジプトがかみついた。スフィンクスそっくりの像がつくられたことに憤慨したエジプトの管理当局が、ユネスコに提訴したのだ。「実物大」をうたった偽物に観光客が集まっているという。中国はさまざまな偽物があふれるコピー天国だが、最近は商品だけでなく建造物にもひろがっている。批判にかまわずやる方が得という風土があるそうで、司会の夏目三久らも「文化の違いもここまで」とあきれ顔だった。
エッフェル塔、凱旋門、ホワイトハウス、自由の女神、ハリーポッター魔法学校…何でも真似るぞ
問題のスフィンクス像は今月(2014年5月)、河北省の映画テーマパークに完成した。高さ20メートル、全長60メートルで、本物とほぼ同じ大きさだ。観光客が集まって記念撮影などをしている。
エジプト側は「何の連絡もなく、世界遺産への理解を損なう」と猛反発する。中国側の責任者は映画撮影のためにつくったと釈明し、撮影が終わり次第取り壊す予定という。ほかにも、中国ではニセのエッフェル塔や凱旋門、ホワイトハウス、自由の女神までつくられ、ハリーポッターの魔法学校に似た建物の大学もある。
ニセ商品や類似キャラクターの横行もつづく。おもちゃの偽札でバスに乗る人がいて、警察官姿で麻薬を運ぶ犯罪もよくある。本物と偽物の警察官が街角でたたかう場面もあり、ここまでくるとまるでコントだ。
中国人ジャーナリストの周来友さんは「中国では非難されるとわかっていても、やったもの勝ちという考え方がある」と話す。
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト