「美味しんぼ」鼻血論争!放射線不安の声封じるな…福島原発の真相まだ解明始まったばかり

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大橋巨泉「卒寿と快気」がんと闘い満身創痍でも衰えない反骨精神頼もしい

   22日の昨夜(2014年5月)、ザ・プリンスパークタワー東京で大橋巨泉さんの「卒寿と快気を祝う会」が開かれた。今年初め中咽頭ガンを発症し、放射線治療の激しい苦しみに耐えて、ようやく味覚も戻ってきた巨泉さんの2か月遅れの誕生日を祝うために、親しい仲間240名ほどが集まった。石坂浩二、永六輔、黒柳徹子、久米宏、徳光和夫、宍戸錠、青木功など多士済々。

   入り口で関口宏さんと挨拶し、入ってすぐに田中康夫さんと歓談。小中陽太郎さんとこのところの安倍政権について意見交換。王貞治さんの乾杯の後、巨泉さんと奥さんの寿々子さんに挨拶に行く。

   巨泉さんの隣に河野洋平さん。河野さんとも久しぶりだから、近いうちに遊びに行くと約して、隣の菅直人さんと立ち話。菅さんに朝日新聞の東電・吉田所長の聴き取り調書について知らなかったのかと聞く。彼はまったく知らなかった。自分は当時の総理だったので聞き取り調査の対象だからか、他の人については知らせてくれなかった。朝日新聞を読んで初めて知ったという。

   巨泉さんの話に戻ろう。彼が「11PM」をやっていた頃からだから、40年近い付き合いになる。きっかけは競馬。山口瞳さんの紹介で会ったが、意気投合し、よく一緒に呑んだ。TBS近くで呑んで銀座のクラブへ繰り出し、そこから巨泉さんは日テレの「11PM」へ『出勤』していったことも何度かある。

   私がいた講談社でゴルフの本や競馬の本を出したこともある。『週刊現代』で今も続いている巨泉さんの連載コラムは、私が編集長の時に始めたものだが、ずいぶん長い連載になった。好きな山口瞳さんの人気コラム「男性自身」(週刊新潮)の連載記録を抜きたいなどと『冗談』をいっていたが、前回の「内遊外歓」から今の「今週の遺言」と続いているのは、そんな強い気持ちがあるからだろう。

   10回も身体にメスを入れたそうだが、満身創痍でも衰えない反骨精神は今の時代には貴重だ。だから、「巨泉さん、まだまだ長生きして頑張って」。そういって会場を後にした。

原作者・雁屋哲の政府・行政に対する根強い不信「汚染隠ししてるんじゃないか」

   きのうも触れたが、雁屋哲氏が連載している『ビックコミックスピリッツ』(小学館)の「美味しんぼ」問題が大きな波紋を呼んでいる。<連載開始から三十一年。単行本は現在百十巻まで発行され、累計部数は一億三千万部超。日本にグルメマンガブームを誕生させ>(週刊文春)た美味しんぼだが、昨年(2013年)1月から「福島の真実」の不定期連載を始めた。

   雁屋氏自身、2011年から13年にかけて自ら精力的に福島県を取材して、放射能汚染に立ち向かうボランティアを称えたり、福島の農産物でも安全で美味しいものがあることを伝えたりする内容で、それまでは批判の的になるような描写は見当たらなかった。

<そうした回に登場する、福島県内の農家や漁業関係者、飲食店や大学関係者らに話を聞くと、大多数は「非常に熱心で、丁寧な取材だった」と好意的で、七十二歳の雁屋氏が、浜通りから中通り、会津地方から福島第一原発内部に至るまで自らの足で歩き、取材をひとつずつ積み重ねていった様子がよくわかった>(週刊文春)

   問題が生じたのは今年4月末に発売になった第22回、第23回の描写だった。議論を呼んだ点は2つある。1つは、主人公らが福島取材の後で鼻血を出したり、疲労感を訴える。それについて、井戸川克隆前双葉町長らが実名で登場し、「被曝したから」「福島はもう住めない」などと言うシーンだ。

   もう1つは、大阪で受け入れたガレキを処理する焼却所付近の住民1000人に聞いたところ、約800人に健康被害があったと説明されるシーンだ。こうした描写が風評被害を助長すると各方面から猛批判されたのだ。双葉町は原因不明の鼻血などの症状を町役場に訴える町民が大勢いるという事実はない、厳重に抗議すると発表した。

   今回の問題では安倍政権の政治家からの発言も目立った。安倍晋三首相は「根拠のない風評を払拭していく」、石原伸晃環境大臣も「(鼻血の)描写は何を意図しているのか全く理解できない」、下村博文文科大臣も「福島県民にとってひどい迷惑だ」などと語っている。原発再稼働を推進する安倍政権幹部がここぞとばかり批判しているのだ。

   2点目に対しては、ガレキ受け入れに反対する会が行ったアンケート調査で、投稿された1000件近くのうちに健康被害を訴える声が約800人分あったということだから、「正確さに欠ける表現だった」と小学館広報室が認めている。

   だが、何の根拠からなのか、鼻血が出た人間など福島にはいないと否定したり、それと放射能の因果関係はないと断言する人間を取り上げる週刊誌や新聞があるのには首を傾げざるを得ない。いま大事なのは、神奈川新聞が書いているように、「政治、行政がすべきは不安の声を封じるのではなく、誠実に不安と向き合い、放射能の問題に対峙することだ」

   原発事故当時の東京電力や政府の対応のまずさで多くの住民を大量の放射能汚染させたり、その後も文科省を中心に線量隠しを行ったりすることが、住民をはじめとする多くの国民に不信感を募らせ、かえって風評被害を大きくさせてしまっていることに、政治家たちはお詫びし猛省するべきである。

   美味しんぼの「福島の真実」編に登場する、福島県飯舘村から北海道に移住して畜産業を営む菅野義樹氏は週刊文春でこう語っている。<「福島には複雑な問題が多々あるのに、今回、鼻血の描写に議論が矮小化されるとしたら残念です。メディアと政府は単純な批判をするだけでなく、何が問題なのかを深掘りして問題提起や細かなフォローアップに繋げるべきです」>

   まだ福島第一原発事故の真相の解明は始まったばかりである。そのことを日本人みなが忘れてはいけない。

日本代表の最多得点記録保持者・釜本邦茂「本田圭佑が軸だが『裸の王様』」

   ここでスポーツの話題を2本取り上げよう。まずは『週刊ポスト』の釜本邦茂氏インタビュー。サッカーのW杯はもうすぐ開幕だが、日本サッカーを応援するファンに冷水を浴びせる「『裸の王様』本田圭佑なら日本は負ける」発言の真意はどこにあるのか。

   日本代表の最多得点記録保持者であり、元日本サッカー協会副会長の釜本氏は、サッカーW杯で勝つためにこうすべきだと提言している。<「ザッケローニ監督は温情主義で選んだのだと思う。W杯予選を一緒に戦ってきたメンバーが多く含まれているのがその証拠だ。しかし内田篤人、吉田麻也、長谷部誠はいずれもケガでここ最近、ほとんど試合に出ていない。こうした故障明けメンバーが、ぶっつけ本番のW杯で本当に仕事ができるのか。(中略)

   世界的にはまだまだ力の劣る日本が、強い相手から勝ち点を奪うには、しっかり守ってカウンターで得点を狙う堅守速攻の道しかない。だが、DF陣が明らかに手薄である。(中略)

   そのためFW1トップの動きがさらに重要になってくる。問題はこのFW1に、誰を据えるか。私はあえて、本田圭佑を推したいと思う。(中略)

   本田の持つ最大の長所は、『外国人DFに当り負けしないボールキープ力』、『体勢を崩しても枠内にシュートを打てる技術』だ。本田を起点にして相手を牽制しつつ2列目の岡崎や柿谷、そして香川といった選手が、相手DFの裏側に出て『3番目の動き』をすれば、日本の攻撃に幅も生まれだろう。

   ただ本田には注文がある。もっと謙虚にならなければならない。自分のスタイルを前面に出すのはいいが、それは周囲の者が理解してこそだ。それに私は、他の選手たちにも責任があると思う。チームが本田の言い分を素直に受け入れすぎているように見えるのだ。本田に対して『それは違う』と反論する者が、現在の代表にはいないのではないか。

   彼は紛れもない日本の中心選手だ。しかしだからこそ、彼を『裸の王様』にするようなことがあっては、日本は崩壊してしまう。それは中田英寿の時に、痛いほど経験したはずだ」>

   ブラジルで待つのは敵のチームばかりではない。「工期の遅れ」「反W杯への高まり」など、多くの難問が待ち構えている。ベスト8まで行くのは至難だろうが、楽しい試合を期待したい。

同伴プレーヤーから評判悪すぎ!ゴルフ松山英樹…たびたびマナー注意

   お次は週刊現代の「このままじゃ、松山英樹が潰される」。今や実力・人気ともに石川遼を追い越した松山だが、どうもプレー中のマナーに批判が集まっているようである。

   5月10日のプレイヤーズ選手権の3日目。同じ組で回っているプレーヤーから「カップ寄りにボールを動かした」と猛抗議されたのだ。結局これは誤解だったとお咎めはなかったのだが、このところスロープレーで注意されたり、グリーン上でマークした場所からずれていると同伴者からアピールされた。

   3月の試合では、パットを外した悔しさからパターをグリーンに叩きつけて謝罪することもあった。ゴルフは紳士のスポーツ。マナーが悪くては紳士の仲間入りはできない。くれぐれも注意するように、松山クン。

患者増やせば薬は売れる!うつ病患者10年で2倍、抗うつ剤売り上げ8倍

   週刊ポストは健康の新基準値問題を取り上げ、基準値を緩和すれば患者が少なくなって困る医療・製薬業界が大反対して潰したと報じている。いかに新薬が出ることで患者が増えるかを、うつ病のケースで検証している。うつ病の患者数は10年で倍増し、抗うつ薬市場は8倍になったが、その裏側で何が起きていたのか。

   99年に画期的な抗うつ薬が『上陸』したためにうつ病が大発生した。<SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)。99年に初めて日本で認可されたこの薬は、セロトニンの血中濃度を高めることによって、うつ症状を軽減させようというものだ>そうだ。現在4種類のSSRI系の薬が認可されている。

   <「これらSSRIの登場によって、日本のうつ病を巡る環境は一変した」>とフジ虎ノ門健康増進センター長の斉尾武郎氏がいう。<「従来型の抗うつ薬は薬価(薬の価格)が安かった。だから、製薬会社にしてみれば『売ってもあまり儲からない』ということで、精神科医を営業の対象にはしていなかった。それが、従来の抗うつ薬に比べて3~5倍も値段が高いSSRIが認可されると、抗うつ薬市場は一気に製薬業界にとって『オイシイ』マーケットになって、精神科医は大のお得意様になった」>

   確かにうつ病患者は10年前の2倍でしかないのに、薬市場の売り上げは8倍強になっている。基準値を厳しくしたり、高い薬をつくることで医療業界はボロ儲けできるのだ。こんなことを許しておいていいはずはない。そのためには病気にさせられないよう、一人一人が知識を持つしかないのだが、言うは易く行うは難しである。

『週刊ポスト』イチオシの地震予知東大名誉教授「次に要注意は岐阜と函館周辺です」

   週刊ポストは先週大々的にやった東大名誉教授の地震予測記事を今週もやっている。だが今週のはこの名誉教授が関わっているメールマガジンのパブ記事のようで気に入らない。

   週刊ポストは村井俊治東京大学名誉教授が顧問になっているJESEA(地震科学探査機構)が出しているメルマガで、4月9日、16日、23日と3回にわたって首都圏で地震が発生する可能性について言及していたと前号で書いた。その後、「首都圏直撃地震からわずか8日後の5月13日午後8時35分、再び首都圏を地震が襲った。埼玉県南部や神奈川県東部で震度4を記録。東京都でも震度3を記録した」(週刊ポスト)が、それもメルマガで「可能性を予測」していたから、編集部宛に問い合わせが殺到したという。

   そこで購読料月に216円のメルマガを購読する手続きを写真入りで紹介しているのだが、ここまでやる必要があるのだろうか。そういいつつも、ついでだから、警戒が必要な地域に言及している村井教授の言葉を引用してみよう。

<「2月に7センチにも及ぶ地表の上下動が観測されていた高山を中心に、ゴールデンウィーク頃から地震が増えている岐阜県周辺は引き続き注意が必要です。(中略)
   現時点で注意が必要なのは、北海道の函館の周辺です。今、全国的に基準点の短期の動きはほとんど目立たないのですが、今週届いた記録では函館にだけ動きが確認されました。函館だけではなく道南の広い地域で警戒が必要です」>

   また、津軽海峡を隔てた青森でも注意が必要だと村井氏は語っている。注意するに越したことはないが。

文化遺産級「女優SEXシーン」ベスト10!1位はやっぱりあの人のアレかな…

   最後に「おまけ」を付けよう。『アサヒ芸能』が大特集「女優シネマSEX 100大遺産を愛で尽くす!」を組んでいる。映画の濡れ場シーンのどれが官能的かを採点して100位まで掲載しているのだが、ベスト10まで紹介してみよう。

   第1位、松坂慶子『家宅の人』(86年)。見た記憶はあるがそれほど印象に残っていない。見直してみるか。

   第2位、黒木瞳『失楽園』(97年)。これはよかった。

   第3位、小柳ルミ子『白蛇抄』(83年)。これで小柳は日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた。

   第4位、原田美枝子『青春の殺人者』(76年)。長谷川和彦監督で水谷豊と原田が主演。どんなんだったかな?

   第5位、真木よう子『ベロニカは死ぬことにした』(05年)。題名に惹かれて見たが、真木の存在感は目立っていたような気がする。この女優はこれから楽しみだ。

   第6位、五月みどり『丑三つの村』(83)。日本で初めて「熟女」を名乗ったのが五月だそうな。未見だがさぞ色っぽかっただろうな。

   第7位、由美かおる『同棲時代』(73年)。彼女のヌードは完璧だったな。

   第8位、石田えり『遠雷』(81年)。石田が農村女のたくましさをうまく表現していた。立松和平の上質な原作もよかった。

   第9位、吉高由里子『蛇にピアス』(08年)。NHK朝ドラ『花子とアン』の主役がフルヌードに挑戦した映画だと! 早速借りて見よう。

   第10位、関根恵子『TATOO(刺青)あり』(82年)。これは未見だが、関根恵子のヌードは絶品だね。

   週末はこうした作品を借りて、ゆっくり楽しむとするか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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