明治時代の民法ルールそのまま適用…現状に合わせて法改正急げ
取材した社会部の上田真理子記者が報告する。「国は実態を把握していませんが、支援団体を取材したところでは、年間100件ぐらいの相談が寄せられ、その8~9割が背景にDVがあるということです。とくにDVの相談は急増し、年間5万件といわれています。その中に、かなりの無戸籍の子どもたちがいるのではないかという感じです」
国谷裕子キャスター「DVで逃げた母親が新たなパートナーと子どもを産んだ場合、その子どもは前の夫の戸籍に入らないといけないということですが、なぜこうなっているんですか」
この問題に詳しい早稲田大学の棚村政行教授はこう解説する。「明治時代の120年も前にできたルールがそのまま残っていることに理由があります。結婚についてあまりにも形式的に父親を決めているルールで、時代遅れになっています。根本的にルールや届け出制度を実態に合わせ見直さないといけない。子どものための制度づくりを真剣に考えないと、子どもは救われません」
基本的には夫のDVに問題があるのだろうが、少子化が深刻な社会問題として懸念される中、国の怠慢で不幸な無戸籍の子どもたちを増やしてどうするのか。何をしているのかわからない少子化担当大臣が動いて、まずは実態把握に取り組んだらどうだろうか。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2014年5月21日放送「戸籍のない子どもたち」)