パソコン遠隔操作による威力業務妨害事件の9回目の公判がきのう22日(2014年5月)、東京地裁で開かれ、片山祐輔被告(32)はこれまでの無罪主張から一転、10件の起訴内容を「全部事実です」と認め、「すべての人を裏切りました」と謝罪した。
32の傍聴席に600人以上が列
32の傍聴席に600人以上が列を作った。どんな言葉で犯行を語るかという関心だろう。片山は裁判長の再度の罪状認否に、すべての犯行を認め、佐藤博史弁護士の被告人質問に「多くの人をだましていました。最初の脅迫の対象にした人、誤認逮捕された人、ウソをついてだました人たち、弁護士、警察官、検察官、裁判官、また、えん罪を信じ支援してくれた人、家族、すべてを裏切りました。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
検察官からすべての事実を認めた理由を問われ、「メールがばれて言い逃れができないので、3つの選択肢が浮かんだ。1つはしらを切る、2つは認める、3つは死ぬ。でも、死ねなかった」と話した。「しらを切り通そうとはおもわなかったのか」と聞かれると、「(スマホ)を掘り返されたから無理だと思った」と答えた。犯人しか知らないパスワードを使っていたから、言い逃れはできないと思ったというのだ。
佐藤弁護士に「よく生きて収監させてもらいました」
無罪と信じていて裏切られた佐藤弁護士は公判のあと会見して、「恐るべきウソの天才だが、彼を見捨てないと言えたのは、自分なりによかった。よく生きて収監させてもらいましたと言ってくれました」と涙ぐんで、苦しい胸中を語った。
片山には、「アナと雪の女王」の曲「ありのまま」をひいて、「ありのままの自分を見つけて、まだ善なる部分が生きている、そういうものが悪魔に勝つ」と諭したという。片山は「すがすがしい気持ち」といっていたといい、佐藤氏は「真人間になるきっかけはつかんだと思う」と語った。今後は精神鑑定をして、「迷惑をかけたとわからせたい」
司会の加藤浩次「弁護士としてはこれでいいんでしょうか」
菊地幸夫(弁護士)「弁護士はまず被告を信用しないといい弁護はできません。今回は弁護をやめてもおかしくないケースだが、弁護士として正しい判断だったと思います。ただ、すがすがしいというが、誤認逮捕された4人のことをわからせてほしですよね」
キャスターのテリー伊藤は手厳しい。「自殺を考えたというのはウソだと思う。弁護士は『ウソの天才』といったが、これくらいのウソつきはいくらでもいますよ。それから、きのうの裁判が9回目。1回の公判で何百万円もかかる。こんなバカみたいな男のために何千万円もかけている。彼は『もうとっとと認めて早く出たい』と切り替えていると思うよ」
菊地弁護士はもうそれほど時間はかからないだろうという。