警視庁は覚醒剤取締法違反(所持)で逮捕したASKA容疑者(本名・宮崎重明=56)から毛髪の任意提出を受け、薬物が蓄積していないか鑑定を始めた。ASKAと一緒に逮捕された知人の会社員・栩内香澄美容疑者(37)の尿検査では覚醒剤と合成麻薬MDMAの陽性反応が出ているが、2人とも容疑を否認している。警視庁は毛髪検査で覚せい剤の吸引の証拠を固める方針だ。
「アンナカ」不眠解消や疲労回復の医薬品。医師の処方箋あれば入手可能
毛髪鑑定に詳しい浜松医科大学・鈴木修理事副学長はこう解説する。「覚醒剤の尿検査は使用してから1週間ぐらいで尿中から消えてしまいます。でも、毛髪の鑑定では数か月前にさかのぼって鑑定することができます。鑑定に使うのは後頭部の髪の毛で、髪は1か月で1センチは伸びますから、その髪を1センチ単位で切り分け、試薬につけて調べます」
ASKAは「使用したのは覚醒剤ではなく、アンナカだと思っていた」と供述しているという。アンナカは安息香酸ナトリウムカフェインで、臭いはなく白い粉末、清涼飲料などの保存料としても使われる。
キャスターの齋藤孝「アンナカは違法薬物ではないのですか」
厚生労働省の元麻薬取締官・浦上厚氏が説明する。「アンナカは不眠解消や疲労回復のための医薬品です。医師の処方箋があれば誰でも購入可能です」
覚醒剤より怖いMDMA!依存性、毒性は「最強」
司会の夏目三久「MDMAと覚醒剤はどう違うのでしょうか」
浦上「MDMAと覚醒剤では取り締まる法律が違います。毛髪鑑定からMDMAや覚醒剤が検出されれば、長期にわたり常習的に使用していた動かぬ証拠になります」
依存性の強さ、毒性の強さは覚醒剤以上と言われる。
夏目「毛髪鑑定で提出される髪の長さは決まっているのですか」
浦上「髪の毛が長ければ長いほど過去にさかのぼって鑑定することが可能です」
覚醒剤による検挙は、多くが吸引中だったり持ち歩いていたりする現行犯逮捕だが、ASKAは栩内のマンションから出てきたところでの逮捕で、捜査官が現認していない。物証を集めて状況証拠を固めるというのが捜査方針のようだ。