暗躍するブローカー!ネットで「改名のメリットは計り知れない」「ブラックも消えて人生メリット」
なぜ銀行は多重債務者が名前を変えたのに気付かなかったのか。銀行関係者は「ローンの契約で戸籍謄本の提出を求めるのは非常に難しく、下の名前を変えたのを見抜くのは正直いって無理」という。
この出家詐欺はかなりのペース広がっているらしい。NHK記者がインターネットで検索すると、「改名のメリットは計り知れない」「ブラックも消えて人生メリット」といった文言が躍るブローカーのホームページがいくつも見つかった。その一人、関西在住のブローカーに記者が当たった。「檀家さんが少ないところがあるんです。法事・法要でお金が入ってこないのでお金が回らない。となれば、僧籍を取得させる代わりに見返りをもらうということでビジネスが成り立つ」とまるでビジネスマン気取りだ。
「お寺を継続するのが難しくなってきたとすれば、いったいどうすればいいですか」という国谷裕子キャスターが聞く。解説するのは、宗教法人に詳しい慶応大学の中島隆信教授だ。「日本人の心の中には、仏教に対し、帰依しようという気持ちがあると思っています。仏像の前で手を合わせる習慣もある。そういう習慣が残っているうちにお寺がもっと信者に働きかけて、国民の宗教心を高めてほしいですね。それが本来の役割だし、今がそのチャンスだと思います」
京都人が憤慨しながらこんな話をしていた。肉店で牛肉の細切れを買っていたら、どこやらの僧侶がやってきて、極上の牛肉の塊を買っていったという。こんな風景を見せられれば、仏像には手を合わせるが、お寺との付き合いはほどほどでいいとなる。
危機感を強めた臨済宗妙心寺派の大本山(京都市右京区)は、不活動なお寺を解散や合併させるプロジェクトを4月(2014年)に立ち上げ、4人の僧侶を専従員に任命したという。むしろそのほうが現実的に思える。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2014年月日放送「追跡『出家詐欺』~狙われる宗教法人~」)