憲法9条が禁止している集団的自衛権の行使について、憲法解釈の変更で行使できるようにしようとする安倍首相はきのう15日(2014年5月)に記者会見し、政府の基本的方向性を語った。
絵柄に注文をつけたほどこだわったというパネル指しながら、「現在の憲法では、同盟国のアメリカの船が救助のために邦人を輸送中に攻撃されても自衛隊は守ることができないんです」などと熱弁を振るった。そして、憲法解釈の変更については「わが国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは許されるとの考えです」語った。
オバマ大統領も中国に「日米は特別な関係なんだ」
司会の羽鳥慎一「この会見でこだわりと熱意は伝わってきましたけれど、まあ、意見はいろいろ分かれていますね」
静岡県立大・小川和久特任教授は「集団的自衛権の行使は当たり前」と次のように主張した。「同盟関係で自国の安全を図る以上は、集団的自衛権を行使するのは前提条件になろます。ところが、日本は自国内でしか通用しないロジックで、権利はあるけど行使はしないとか言ってきた。そういう解釈をノーマルな形に変えようという今回の流れは当たり前の話なんですよ」
さらに小川教授はこう続けた。「日本はアメリカにとって死活的重要な戦略的根拠地で、日本列島に84か所の米軍基地を置かせてアフリカの最南端まで行動できる米軍を支えています。会社でいうと日本に本社機能が置かれている。米軍最大のオイルターミナル、巨大な弾薬庫、情報機能とかです。他の国は支店か営業所のレベルです。
オバマ大統領は中国の習近平に対して、『アメリカと日本は特別な関係にあることを中国は理解すべきだ』と2度も言っています。他の国はガールフレンドだけど、日本は第2夫人ですよと。手を出したらいてまうぞという話なんです。その辺、日本人は自覚がない。安倍さんはこの間、ものすごく勉強して分かっている」
吉永みち子(作家)が「なぜいま(集団的自衛権の行使という)言葉にこだわるのか。何かがあると思うわけですよ」と食い下がったが、時間切れで終わった。