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悪玉コレステロールも中性脂肪も体にとって大事な物質!高いからと怖がるな

   悪玉コレステロール190、中性脂肪1000までOK、BMI20以下は危険なのだそうだ。<「そもそもLDLは『悪玉』ではなく、体に必要なコレステロールを細胞に届ける役目をしています。体にはLDL受容体(コレステロールを調整)というのがあり、たとえばLDL一六〇で適切な人なら、食事や運動で一時的に下がっても三ヵ月後にはまた元に戻ります。その数値が適切だからです。コレステロールは、細胞膜、神経の皮膜、炎症を抑える副腎皮質ホルモン、男性・女性ホルモン、胆汁、ビタミンDなどの必須材料。そのコレステロールを運ぶのがLDLで、体にとって大事な物質なのです」(大櫛陽一東海大学名誉教授)>

   中性脂肪も『悪玉』のイメージがあるが、こちらも男性の上限値が198に大きく変更された。<「そもそも、欧米のガイドラインでは一〇〇〇まで大丈夫なのです。中性脂肪は一時間ごとに数値が変わり、命にかかわる病気とも関係がないので気にすることはありません。一〇〇〇を超えれば、消化液がたくさん出て膵臓に負担がかかるので、急性膵炎に気をつけないといけませんが、日本で一〇〇〇を超える成人は0.1%です」(同)>

   私は中性脂肪が300近くあるが、心配いらないのかな~。

   肥満度を示すBMI(体格指数)はどうか。BMIとは体重を身長の2乗で割ったものを指し、たとえば身長160センチで体重64キロの男性はBMIが25で肥満とされていた。だが、東京都健康長寿医療センター研究所の新開省二研究部長はこういう。

<「二五以上を『肥満』とするこれまでの評価は、ちょっと厳しめでした。もう少し太り気味でもいい。高齢者の場合、二八~二九でも寿命には影響しません。死亡リスクが最も低いのは二二~二八。むしろ痩せているほうが問題で、二〇を下回るとリスクが高くなるので、カロリーをきちんと摂取することが必要です」>

   肝臓のγ-GTも400までは大丈夫だというが本当なのか。もともとγ-GTは飲酒をすればすぐに上がるなど、一度の検査で異常を見抜くのは難しいものとされてきたそうだ。<「我々は男性は一五〇くらい、女性は一〇〇くらいの数値になれば異常値として治療を考えてきました。数値の上昇は他の肝疾患でも起こるもので、肝臓の検査をして原因がアルコールにあることがわかれば禁酒を含めた生活指導を行います。一ヵ月間禁酒すると数値は半分ほどに下がりますので、そこから生活習慣を改善していただくことになります」(横浜市立大学の田中克明教授)>

   私の友人にはγ-GT300、400がざらにいるが、これもそんなに気にする必要はないのだろうか。

   尿酸値は7から7.9になり、予防薬は不要だそうだ。尿酸値といえば気になるのが痛風だが、痛風は中年男性に多く、およそ60人に1人が発症するといわれている。<「しかし、誤解してはいけないのは、あくまで数値は数値でしかないということ。痛風の自覚症状には個人差があります。数字に一喜一憂するのではなく、自分の今の体調を知ることが何より大事なのです」(元昭和薬科大学教授で、現在は病態科学研究所で所長を務める田代眞一氏)>

   痛風は食生活や生活習慣の改善で十分に回避できる病気だから、発作も起こっていないのに、単に基準値を超えたからといって薬を飲んで予防することは絶対にやめてくださいといっている。

   こうした基準値に迷わされずに、自分で考えるべきなのであろう。田代氏がいうように、「そもそも基準値というのは、学会や製薬会社、国などそれぞれの思惑が絡み合ってた出されたもので、国民の健康は二の次なのです」

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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