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人間ドック基準値見直し論争!「降圧剤は副作用の方が怖い」感染症やがん…

   いい加減食傷気味だが、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が4月(2014年)初旬に発表した「新たな検診の基本検査の基準範囲」が話題だ。最初にこの問題を取り上げたのは週刊ポストだが、売れ行きがよかったらしく、他の週刊誌も挙って取り上げている。

   『週刊文春』は「健康『新基準値』の正しい読み方2014決定版」という大特集を組んだ。血圧は147までは心配いらないと新基準ではなっているが、週刊文春によれば200超が続かなければ降圧剤はいらないというのだ。どの程度まで血圧が高くなれば降圧剤を飲むべきなのか。NPO法人医薬ビジランスセンター理事長の浜六郎氏はこう説明している。

<「原因に心当たりがなく、長期間にわたり血圧が二〇〇近辺から下がらない方は、臓器の異常のために高血圧になっている可能性があるので診察を受けた方がいいでしょう。それ以外の人にとって降圧剤は不要です」>

   浜氏は降圧剤の副作用についてこう指摘する。<「降圧剤の主流は、不正臨床研究が明らかになったディオバンと同じARB(アンジオテンシン=受容体拮抗薬)タイプと、カルシウム拮抗薬タイプ。こうした降圧剤を服用すると感染症やがんになりやすい。また、降圧剤で血圧を下げた人は服用しなかった人に比べ、10年後に自立している人が圧倒的に少ないのです」>

   血圧が気になるのであれば、アルコールやタバコの量、睡眠時間などの生活習慣を改めるべきだという。私は30代中頃の時に血圧が220あったから、長年降圧剤を飲んでいて、現在は上が130、下が70だ。だが、そろそろ薬を止めるときなのだろうか。

   次は血糖値。110~125の糖尿病「境界型」は食事や運動で治すべきだという。20年以上の臨床経験があるは「灰本クリニック」(愛知県春日井市)の灰本元院長がこう語る。<「二〇一〇年に発表された英国の大学の研究で、インスリンなどで糖尿病を治療している場合、HbA1c七・五前後が最も死亡率が低いことがわかった。この研究は世界の糖尿病関係者に衝撃を与えた。今回の新基準も世界的な流れの中にあるといえるでしょう」>

   空腹時血糖が110を超えたら何らかの対策をとるべきだという。では、何をすればいいのか。専門医たちはみな薬を使わないほうがいいという。『糖尿病専門医にまかせなさい』の著者・牧田善二医師はこうだ。

<「境界型ならば運動や食事療法で改善することが出来る。私は食事直後、二十分程度のウォーキングを提唱しています。運動により食後の血糖値上昇を未然に防ぐ。本来、食後血糖値が二〇〇まで上昇する人なら一六〇程度に抑えられます」>

   食事で気をつけるべきは糖質の摂取量。<「ご飯を茶碗一杯食べていたのを半分にしたり、全体的に主食を少なめにすることが重要。また朝、昼食べずに夜大食いするとインスリン分泌を司るすい臓に負担がかかるため、三食バランスよく食べるべきです」(東京・蒲田「しんクリニック」辛浩基院長)>

   私は今年に入って3キロ太ったので、毎日午後3時の甘いものの間食を控えたら、2か月ほどで元に戻った。糖質は太るのは間違いないが、ときどきはケーキだって食べたいのだが……。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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