水素爆発の恐れがあり放水できずにいた東京・町田市の工場のマグネシウム火災は、東京消防庁が15日(2014年5月)午前6時半、最終的に鎮火を確認した。現場検証を行い出火原因を調べているが、警視庁によると、工場関係者が「機械の電源を入れたときに火花が散った」と話しているという。
環境確保条例の工場設置許可申請せず―周辺住民からは苦情
火花がマグネシウムに引火したとしたら、かなり杜撰な危険物の管理だったことになる。実は火元の金属加工会社「シバタテクラム」は過去に2度も火災を起こしたうえ、東京都環境確保条例に基づく工場設置許可を4年間も申請を怠り、違法操業を続けていたことが分かった。
シバタテクラムは町田市内の別の場所で操業していたが、2010年1月に現在の場所に移転した。その8月には近隣住民から町田市の環境資源部に騒音の苦情が寄せられ、無許可操業が判明した。市は認可申請するよう指導したが、その後も無許可で操業を続け、市も放置したままになっていた。
町田市「市の関与は公害規制で、今回の火災につながっているわけではない」
町田市環境資源部の古屋中課長は「騒音の苦情が一応決着を見たので、継続的な指導が手薄になった点は反省している」と述べているが、今回の火災については「市が関与する部分は公害規制の部分で、直接、認可を受けていなかったことが火災につながっているわけではない」と開き直った。しかし、03年には今回と同じマグネシウム火災を起こしており、問題企業としてチェックすべきではかったか。
宮田佳代子(元テレビ朝日キャスター)「届けなければいけないものを届けない姿勢が、工場の体質に表れていますよね。危険な物を扱っているという意識が欠落していたとしか言いようがないですよ」