作者・雁屋哲「私は真実しか書けない」来週発売の最終話で特集
双葉町は福島第1原発のすぐ北にあり、町のほとんどが「帰還困難区域」で、いまだ大半の町民が避難生活を送っている。避難住民は「そんな話は全然ない」「また風評被害になる」と怒る。
双葉町は「原因不明の鼻血などの症状を訴える町民が大勢いるという事実はありません。町に事前の取材がなく、一方的な見解を掲載したことに、 町として厳重に抗議します」と小学館に抗議した。
福島県も「放射性物質による健康被害はない。本県への不安感を増長させるものであり、風評被害を助長する。断固容認できない。極めて遺憾」と抗議の声明を出した。安倍内閣も菅官房長官が「放射線と鼻血に関係があるとは考えられない」と述べた。
また、マンガの中では、大阪市が受け入れたがれき処理場近辺の住民800人に不快症状があるとされていた。これに橋下徹・大阪市長は「事実に基づくものならば表現の自由。根拠をしっかり出してくださいと、作者、編集部に申し入れをしている」という。処理場周辺の放射能値は実際は低い。
福島の鼻血にしても、専門家は「短時間に強い放射線を浴びれば鼻血もでるだろうが、福島の汚染はレベルが違う」と否定する。
作者の雁屋哲はブログで「私は真実しか書けない」「2年かけて取材した真実をありのままに書くことがどうして批判されるのかわかりません」と語っている。小学館は福島シリーズの最終話となる次号で特集を組む予定だ。
司会の加藤浩次「現地に6回いったら鼻血が出たと…」
キャスターのテリー伊藤「井戸川さんを出すのはいいが、マンガの主人公を表に出して鼻血というのはどうか。理解に苦しむ」
ロバート・キャンベル(東大教授)「鼻血のメカニズムとか、低線量でそうなるかとか、マンガでもそれをネグってはいけないでしょうね。水分子のことがでているが、文系の私が見ても首を傾げる部分があります。ルポなら私たちにも納得できる形で書かないと。ただ、風評を恐れるあまりふたをするのはまずいですが…」
両面がある。これが一石を投ずることになるのか。