アベノミクス賃上げランキング「年収421万円増の国会議員、347万円アップの幹部外交官、平均51万円アップの国家公務員」
安倍首相はゴールデンウィーク中は欧州歴訪をして大いに楽しんだらしいが、出発する前、代々木公園で開かれた連合主催の中央メーデー(4月26日)に出席し、こう豪語した。「今、確実にデフレから脱却しつつある」
この発言に、会場から「給料は上がってないぞ」というヤジも飛んだそうだが、安倍首相には現実が見えていないと週刊ポストが批判している。<この4月から、国民への大増税とは逆に、国家公務員と国会議員の「賃上げラッシュ」が始まった。国家公務員の給料は平均8%引き上げられ、行政職平均のモデルケースでは月額約2万9000円、ボーナスを含めた年収では約51万円のアップだ。国会議員の歳費(給料)はもっと増え、5月分から月額約26万円アップ、年間421万円もの引き上げになる。
こうした大盤振る舞いは、「震災復興のために国民と痛みを分かち合う」と2012年から2年間の時限立法で実施されていた議員と公務員の給料削減を安倍政権が打ち切ったからだ>
震災復興は道半ばなのに早すぎるという批判があるのは当然である。週刊ポストはこう追及する。<政府は東日本大震災の被害総額を16兆9000億円と試算し、5年間で19兆円の震災復興予算を組んで復興を終わらせる計画を立てていた。ところが、復興は遅々として進んでいない。にもかかわらず、19兆円のカネは2年あまりで底を尽き、安倍政権は新たに6兆円の国民負担を積み増しした。原因はシロアリ官僚たちが被災地とは関係ない天下り先の補助金や庁舎の補修、無駄な公共事業などの官僚利権を太らせるために復興予算を流用したからである。流用額は判明しただけでも2兆円を超える。
ならば、そのカネは国家公務員の給料カットの継続で穴埋めすべきではないか。8%賃下げで捻出できる財源は年間およそ2700億円。彼らが流用した2兆円を穴埋めさせるために、あと7~8年、給与カットを続けるのが理の当然だろう>
民間サラリーマンは、大メディアが自動車など大手輸出企業のベースアップをあれほど煽ったのに、連合の集計(4月23日時点)では、春闘でベアが実施されたのは8752組合のうち、わずか5分の1(1818組合)に過ぎなかったのだ。
<アベノミクスによる本当の賃上げランキングは、1位が年収421万円増の国会議員、そして347万円アップの幹部外交官、さらに平均51万円アップの国家公務員で、民間サラリーマンは彼らの給料アップ分を消費増税で負担させられるだけなのである>
まったく週刊ポストのいうとおりである。