地震予知ズバズバ的の東大名誉教授「GPSデータに前兆現象が出るんです」次はどこか?
ゴールデンウィーク最中の5月5日の朝5時18分。ゴルフに行こうと目が覚めたとき、ドーンと下から突き上げられる揺れが来て、それからかなりの横揺れが続いた。ついに首都直下型地震が来たかと思ったが、幸いなことにそこまでではなく、部屋のものも壊れはしなかった。テレビをつけると首都圏を襲ったのはマグニチュード6・0で、千代田区では震度5弱を記録したそうだ。私の住んでいる中野区は震度4だった。だが、東京、神奈川などで17人が負傷し、JRや私鉄などの交通網は終日混乱をきたした。地震警報は震源が深すぎて鳴らなかった。地震調査研究関連の予算は年間100億円単位で投じられているというのに、いつまでもこれといった成果は上がっていない。
そんな中、地震研究の中枢からは大きく距離を置いているが、昨年からズバズバと地震予測を的中させている人物がいると、週刊ポストが巻頭で報じている。東京大学名誉教授で92~96年まで国際写真測量・リモートセンシング学会会長を務めた「測量学の世界的権威」である村井俊治氏だそうだ。
村井氏が顧問を務める民間会社「JESEA(地震科学探査機構)」が週1回配信する『週刊MEGA地震予測』で、4月9日号から3週にわたって首都圏での地震発生の可能性を示していたというのである。村井氏の手法は測量技術の応用だという。国土地理院は95年の阪神・淡路大震災を機に、各地のGPSデータを測定する「電子基準点」を全国約1300か所に配備している。これを使うそうだ。
<「これほどのGPS網が張り巡らされている国は、世界でも日本だけです。このデータが02年から利用できるようになった。我々が00~07年に起きたマグニチュード6以上の地震162件全てのGPSデーターの追跡調査を行ったところ、地震の前に何らかの前兆現象が見られることに気がついたのです」(村井氏)>
こうした分析に基づいて、昨年4月、淡路島で震度6弱の地震が発生ときも、その直後の4月17日に起こった三宅島地震(震度5強)も、東日本大震災の前にもその前兆をつかんでいたそうだ。「しかしパニックになることを恐れて注意喚起ができなかった。その結果、1万8000人もの人々が亡くなられたのです。これは学者としての恥です。ですから名誉を失っても、恥をかいても、今後は自分の理論において異常なら異常と公表する、と決断した」(村井氏)
そこで最も気になるのは今後注意すべき地域はどうかということだろう。村井氏が指摘したのはゴールデンウィーク中に群発地震が起きていた岐阜県だという。「春先から飛騨・高山中心に20か所くらいの電子基準点で大幅な上下動が観測されている。もっとも大きく動いているのは高山です」
当たってほしくはないが気をつけるのに越したことはないはずである。