3次元のデータを元に、高温で溶かした樹脂などでものをつくる3Dプリンターを使って銃を製造し、所持していた大学職員が銃刀法違反容疑で逮捕された。3Dプリンターはさまざまな分野で活用されているが、高機能化が進むとともに低価格化で個人でも入手できることから、犯罪に悪用されるおそれが以前から指摘されていた。
自慢げに試射映像やツイッターで公開
川崎市高津区の湘南工科大職員・居村佳知容疑者(27)の自宅を警察が家宅捜査し、3Dプリンターで作ったプラスチック製の拳銃5丁を押収した。うち2丁の拳銃は厚さ2.5ミリのベニヤ板11枚を貫通させ殺傷力があると判断し逮捕に踏み切った。
居村が使っていた3Dプリンターは半年前にインターネットで購入した10万円前後の一般家庭向けのもので、銃の設計図はアメリカの団体がサイトで公表したものをダウンロードしたという。3Dプリンターで作った銃の所持で逮捕されたのは初めてだ。
逮捕のきっかけは、居村が銃を試射する映像を動画サイトに投稿したことからだった。さらに、誇らしげにツイッターにこんな書き込みをしていた。「私は日本ではじめて3Dプリンター製の拳銃を作った張本人。このことを誇りに思う。銃の規制は人権侵害。それに立ち向かい銃刀法を無効にする手段をまっさきに行ない誰でも銃を手に出来る事を社会へ証明した」。これを見た人から警察に通報があり捜査していた。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト