3Dプリンターで殺傷力のある拳銃を作っていたとして、神奈川県警は7日(2014年5月)に湘南工科大の契約職員・居村佳知(27)を銃刀法違反の容疑で逮捕した。川崎市内の自宅からは、いずれも3Dプリンターで作られた6丁の拳銃が押収されたが、うち2丁は厚さ2.5ミリのベニヤ板10枚以上貫通させる威力があった。
米国の設計データや画像をダウンロード
昨年、アメリカの団体が3Dプリンターで作れる拳銃の設計データや画像を無料で公開し、だれでもダウンロードできた。日本からも多数のアクセスがあったという。居村もそのひとりだったとみられるが、バカなことに、この男は作った拳銃を自慢げにネットで公開していた。
公園のようなところで、拳銃を発射する様子のほか、ツイッターには「私は日本で初めて3Dプリンター製の拳銃を作った張本人。このことを誇りに思う」「銃を持つ権利は基本的人権」「日本は銃が自衛用に所持できない国なので人権侵害国家です」などと書き込んでいた。
さらに、「3D銃を発火モデルガンとしてなら所持できることを証明した」「だれもが合法所持できる方法を示した」「弾さえあればすぐに発砲できる」と書き、作った理由を「殴り殺せる力の強い人から身を守るため。社会的弱者こそ銃を手にするべき」「それで殺人が起きても、むしろ理想さ。正義が行使されるのだから」とも主張していた。
調べに対しても、「違法だとは思わなかった」「警察が拳銃と認定したのなら逮捕は仕方ありません」と話しているという。自宅からは3Dプリンターなど100点を押収したが、その後の調べで、プリンター自体もアメリカのネット情報で自作していたことがわかた。10万円くらいでできるらしい。それだけの頭と労力を他に使いようはなかったのか。
試射の映像を見た専門家は、銃の動きから「空砲ではないか」という。たしかに、実弾を発射したときのような強い反動はないようだ。その空砲にしてもどこから入手したのか。