理化学研究所・小保方晴子ユニットリーダーのSTAP細胞論文問題について、理研の調査委はきのう(8日)、あらためて論文の「不正」を認め、小保方氏が求めていた再調査は行わないとの結論を出した。これにより、理研は関係者の懲戒手続きに入ることになる。
代理人弁護士「結論ありきで納得できない」裁判で争い?
調査委は、(1)「改ざん・ねつ造」はあった(2)実験ノートでは科学的な実証は不可能(3)本人から十分に説明を聞いている―などから再調査の必要なしとし、小保方氏に論文取り下げを勧告した。
調査委の渡部惇委員長は会見で、小保方氏の実験ノートについて「75ページ分には日付もなく、データ管理がずさん。改ざん・ねつ造には悪意があった」とした。小保方側が報道陣にも公開されたノートだが、「これでは他の研究者が再現できない」(科学ジャーナリストの寺門和夫氏)というレベルだった。
調査委はSTAP細胞の存在うんぬんとは無関係に、あくまで論文の内容を確認するためのものだから、論文が不備な以上、この結論はそれなりに妥当ともい える。
しかし、小保方氏の代理人である弁護士は「結論ありきだ。聞き取り調査も不十分」と強く反論した。論文取り下げも否定し、場合によっては訴訟に訴えることも示唆した。理研の就業規定では、不正行為があった場合は諭旨退職または懲戒解雇となっている。調査委の結論は論文の共著者全員に及ぶ。
STAP細胞はあるのかないのか!そこをはっきりさせろ
キャスターのテリー伊藤「このままいくと懲戒処分が出るようなので、理研は1年かけて実証実験をやると言っていますが、STAP細胞ができる可能性はほとんどないということですよね。そこで、小保方さんにもう1度チャンスを与えるというのはどうか。でないと、世間の空気があって、理研への不健康な風当たりが何年も続く」
香山リカ(精神科医)「調査委はネイチャーの論文がダメだから元の実験も信用できないといってるのですが、小保方さんは元の細胞はあり、ずるいことをしようとしわけじゃないと主張しているわけです。ずれてる」
テリー「検証実験のほかに、再実験もしてほしい」
香山「税金を使っているんだから、私は反対」
テリー「小保方さんへのシンパシーもあるし、そのやり方でやってみなさいよと……」
しかし香山は「別のところでやってほしい」と冷たい。
菊地幸夫(弁護士)「裁判になっても、本体(STAP細胞)があるとないとで結果も違ったものになるでしょうね」
司会の加藤浩次「小保方さんの悪意がないというのに納得できないところもあるし、理研の結論の出し方にも疑問が残りますねえ」
もとは「夢のSTAP細胞」があるかないかだ。小保方氏の実験はたった1人でやっていたわけではない。その周囲の、あるいは渦中の人たちの姿がもっと見えていいはずなのだが…。理研という組織、どうも腑に落ちない。