春ドラマが出そろったが、池井戸潤原作の2本が好調だ。日本テレビ系「花咲舞が黙ってない」(水曜よる10時)は「不祥事」「銀行総務特命」が原作で、大手銀行の誤払い、情報漏えい、融資トラブル、背任行為などの不祥事を、女子行員の花咲舞(杏)が解決するという痛快ストーリーだ。初回の視聴率は17・2%でこの春のドラマの中では最も高く、2話目、3話目も14・7%、15・4%でトップをキープしている。池井戸作品のなかで唯一の女性が主人公の小説で、ドラマも女性人気が高いという。
もう一つの池井戸ものはTBS系「ルーズヴェルト・ゲーム」(日曜よる9時)で、こちらは不況の波に翻弄される中堅精密機器メーカーの経営立て直しと、その名門・野球部の存続に奔走するサラリーマン・経営者の話だ。原作も同名。初回視聴率は14・1%で春ドラマの中では3位とまずまずの検討だ。「半沢直樹」と同じ原作者、同じ放送時間で、やはり男性視聴者が多いのだろう。
いずれも池井戸小説らしく、企業内の人間模様が丁寧に描かれていてドラマも先が楽しみ。(テレビウォッチ編集部)