2012年に興行収入6億円という大ヒットを記録した「テルマエ・ロマエ」の続編だ。古代ローマに斬新なテルマエ(浴場)を作り一躍有名になった生真面目すぎる浴場設計技師ルシウス(阿部寛)は、コロシアムで戦うグラディエイターたちの傷を癒すためのテルマエを作るようハドリアヌス帝(市村正親)から命じられる。またもやアイデアが浮かばず悩んでいたところ、ひょんなことから久々に現代日本にタイムスリップし、風呂専門雑誌のライターに転身していた真実(上戸彩)ら平たい顔族と再会する。
古代ローマとひっきりなしに行ったり来たり
古代ローマと現代日本を行き来しながらテルマエを完成させていく流れは基本的に前作と同じ――というか、前作以上に行き来がひっきりなし&お手軽で、途中からはルシウスがワープするコツまで掴んでいるのではとにおわせるような場面もあり、この物語の根幹である「タイムスリップ現象」はもはや特別なものでもなんでもなくなってしまっていた。この適当っぷりにはちょっと呆れてしまったが、それでも嫌な感じがしないのは、やはり原作がマンガだからだろうか。
しかし、タイムスリップ場面に重きを置かなくなったぶん、風呂ネタは前作にも増しててんこ盛り。野趣に富んだ木桶風呂、アミューズメントパークのような温泉施設、牧歌的な露天混浴風呂、さらには手軽に温泉気分を楽しめる入浴剤や指圧マッサージなど日本の風呂カルチャーは実に奥が深い。
今回も変に深読みせずに、「SF(すごい風呂)娯楽ムービー」と思って気楽に楽しむのがこの映画の鑑賞法だろう。