サッカーのスーパースターたちがつぎつぎにバナナを食べる映像が世界に流れている。ジーコや長友もいる。「いったい、なぜ?」と石井大裕アナが自分も食べながら問いかけた。
キッカケはスペイン・バルセロナのブラジル出身のアウベス選手(30)に、相手チームのサポーターからバナナが投げつけられたことだった。「おまえは猿だ」という意味の侮蔑で、怒った選手たちがバナナを食べることで差別反対の意思表示しているのだ。
バルセロナ・アウベス選手に投げ付けられた1本のバナナ「おまえは猿だ」
話題を呼んでいるのは、そのときのアウベスの行動。バナナを拾うとパクリと食べて、プレーを続行した。試合後、「差別に立ち向かうにはユーモアが一番だ。こういったものは笑ってやるべきだ」と語った。
司会の夏目三久「カッと怒らずに、冷静にバナナを食べたのはすばらしい」
石井アナ「アウベス選手のお父さんは農家でバナナも育てています。今回の行動には食べ物を粗末にするなという意味もあり、バナナの売り上げがあがったそうです」
ユースチームのコーチ、スタジアム永久出入り禁止
アウベスに共感したブラジル代表のネイマール、イタリア代表のバロテッリらトップ選手が、バナナを手に続々と写真におさまり、元日本代表監督のジーコも「見せましょう。技術と知性で差別をサッカー界から追放できることを」と呼びかけた。
抗議のバナナ写真はJリーグ・鹿島アントラーズのセレーゾ監督や元ブラジル代表のロベルト・カルロス、さらにイタリアのレンツィ首相にまで広がっている。
バナナを投げ入れたのはユースチームのコーチをしていた人物で、ホームスタジアムに永久出入り禁止となった。世界のサッカー界に人種差別は根強い。バナナ写真運動はひょっとすると、来月のブラジルワールドカップでもはやるかもしれない。大きな渦になりそうだ。