29日(2014年4月)、セウォル号沈没の犠牲になった高校生(安山市)の合同焼香所に、朴大統領が弔問に訪れ献花を行なった。その大統領に向って厳しい怒号が飛び交った。
「自分の国から出たいって人がどうしてこんなに多いんですか?」
「今も海の中にいる子どもたちにために、大統領が現地に行って直接指揮をとってください」
しかし、朴からは謝罪の言葉は聞かれなかった。韓国メディアによると、献花した花は怒った遺族たちによって焼香所の外へ運び出されてしまったという。朴は弔問のあと行なわれた閣議で、「事前に事故が予防できず、初期対応も収拾も十分でなかったことに、どんな言葉で謝罪すればその痛みと苦痛が少しでも癒されるのか分かりません」と語ったという。
用心深く入念に事前準備して発言。アドリブは大の苦手
司会の羽鳥慎一「この大統領の謝罪の仕方に対する韓国民の反応はどうですか」
テレビ朝日ソウル支局の大野公二記者が電話でこんな分析を伝えた。「初めて閣議で謝罪したが、なぜ遺族と会っている時に謝罪しないんだという批判が起きています。朴大統領は事前に準備し、すべて整った上で発言する傾向が強い大統領で、アドリブで何か話すことはこれまでもありません。おそらく、どういった言葉でどう謝罪をするか、事務方が綿密に詰め、その準備ができて閣議で謝罪した。そんな流れがあったのだと想像できます」
それならそうと、準備をしたうえで弔問に訪れたらよかった。事故対応についての政府の不手際に批判が高まっているなかで、ひと言も謝罪がないのでは大統領としての資質が問われても仕方がない。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト