群馬県の富岡製糸場の世界文化遺産登録が確定的となった。富岡市のイメージキャラクター「お富ちゃん」は万歳三唱、居酒屋では住民たちが祝杯をあげた。井上貴博アナウンサーは「ゴールデンウイーク2日目のきのう1日(2014年4月27日)だけでも数百人の観光客が押し寄せました。昨年の同時期と比べて約2.5倍になっています」と伝える。近くの駐車場はどこも満車だ。
元工員女性(87歳)「私のころは700人が働いていました」
かつて製糸場に勤めていた野尻照子さん(87)は「私が工場で働いていたのは13年間でした。多い時は700人の女性が働いていました」と話す。世界遺産登録をユネスコなどに答申するイコモス(国際記念物遺跡会議)の元委員の国士舘大学・岡田保良教授は「世界遺産というものは、人の心を動かすものではなくては海外の人も認めてくれません」と語る。
富岡製糸場の世界文化遺産登録に大きな影響を及ぼしたイコモス調査員の中国国立シルク博物館の趙豊館長はこう話す。「総合的には肯定的なプラスの評価をつけました。シルクの世界史にとって富岡製糸場は重要な地位を占め、歴史的に文化遺産登録は意義があります。
富岡製糸場およびその周辺の所はかなり完璧に保存されています。世界のシルク工業の遺産の中でも抜き出ている」
当時とほぼ同じ姿で保全
井上「製糸場が当時の姿にほぼ近い形で保全されてきたのは、製糸場が操業停止となった後、引き継いだ片倉工業の『売らない、貸さない、壊さない』の3原則があったからでした」
メインキャスターの齋藤孝「明治時代、富岡製糸場はモデル工場で、この工場で技術を学んだ人が地元で養蚕技術を普及させ、日本全国に広がったと言われています」