日米首脳会談はその日のうちに共同声明がまとまらず、翌朝に発表されるという異例の展開になった。TPP(環太平洋経済連携協定)で合意できなかったためだ。合意できなかった背景には、互いに相手側が譲歩してくるはずだという甘い読みがあったためと見られている。
日米の思惑外れ「今度は相手側が譲歩する番だ」
井上貴博アナ「日米首脳会談の後、直ちに共同声明は発表されず、先送りとなりました。これをどう考えたらいいのでしょうか」
TBS政治部デスクの津川卓史記者が解説した。「閣僚級協議を先行させて妥協点を見出し、その成果を共同声明に盛り込むというのが日米双方の思惑でした。しかし、現実は平行線のままでした」
TPP問題がここまで難航したのはなぜなのか。
津川「アメリカ側は日本が主張する尖閣諸島問題や集団自衛権を受け入れて支持しました。次はTPPで日本側が譲歩する番だと考えていたのでしょう」
TPPの日米協議は決裂するということなのか。
津川「TPPは日本とアメリカ両政権にとって公約です。これが物別れに終わったとなると、難しい状況が生まれます。アメリカでは今年(2014年)11月に中間選挙があり、オバマ政権はTPP協議の成果をアピールし、中間選挙を勝利するという思惑があります」
その前に合意したいという思いはオバマ側にあるということだ。ただ、アメリカ国内ではオバマに対する批判が強まっている。マスコミの一部には、ウクライナ情勢が動いている時に、日本や韓国などアジア訪問で1週間も国を空けていいのかという記事が目立つようになっているという。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト