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高いものにつきそうなオバマ国賓招待・寿司接待―土産に持たせた「牛肉で大幅譲歩」

   さて、オバマ大統領が昨夜23日(2014年4月)に来日した。空港からそのまま銀座の寿司の名店「すきやばし次郎」に駆けつけ、安倍首相と寿司をつまみながら懇談した。次郎で食べたいと言ったのはオバマのほうらしいが、銀座の数寄屋橋交差点近くのビルの地下にある店だから、警備の大変さはテレビのニュースを見ていても伝わってきた。

   次郎の主人に官邸に来てもらって、そこで握ってもらうということも日本側は打診したらしいが、オバマがその店で食べたいといい張ったそうだ。迷惑な話である。日本の首相がアメリカへ行って、オバマとニューヨークの5番街の店で一緒に食事をしようといったら、一言のもとにはねつけられるだろう。だが、安倍首相にはオバマの「無理難題」を聞かざるを得ない弱味があるのだろう。

   オバマは泊まるのも迎賓館ではなく都内のホテルに宿を取ったという。この警備も大変であろう。週刊新潮は「『オバマ大統領』国賓来日の代償」という特集を組んでいる。記事によれば、<内外に特別な仲をアピールしたい安倍総理は、何とか「2泊3日の国賓扱い」を受け入れてもらったが、その代償はあまりにも大きい。最たるものが、共同声明でTPP交渉の進展を宣言すべく、『いけにえ』にされた、牛肉関税だ>という。

   全国紙の政治部デスクが舞台裏をこう話す。<「なかでも、牛肉は現行の38.5%から9%台にまで大幅に引き下げることで大筋合意を得た模様です。日豪の経済連携協定ではおよそ20%で合意し、安倍総理はアメリカともこの水準で折り合えると踏んでいた。しかし、相手が強硬にゼロ主張を続け、協議は平行線を辿りました。安倍総理にすれば、国賓として来てくれるオバマ大統領に『TPP交渉で大幅前進』というお土産を持たせたかった。日米首脳会談のデッドラインが近づく中、やむなくヒトケタ台まで譲歩し、内々に話をつけたのです」>

   そうだとすると日本の畜産業には大打撃になるという。アメリカと韓国はFTA(自由貿易協定)を締結した。そこで<「2012年、40%だった米国産牛肉の関税を15年かけ、ゼロにすることになっています。韓国ではすでに関税が8%下がりましたが、この間、それだけで畜産農家への影響が出ている」>と農業業界紙の記者が語っている。

   韓国には約12万戸の肉牛畜産農家があったが、安いアメリカ産に押され1万5000戸が廃業申請を余儀なくされたという。仮にこの比率を、関税9%となる日本に当てはめると、約6万戸の和牛農家が半数近くに激減することになるそうだ。いや、もっとひどいことになるというのは「食政策センター ビジョン21」代表の安田節子さん。<「今後、10~20年で和牛農家の大半が廃業し、最悪、ゼロになってしまう可能性もある」>

   国賓待遇で来ていただいた代償は高いものに付きそうである。

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