米国内で「富裕層独立」次々…
一方、残りのフルトン郡は悲惨だ。税収が40億円も減り、公共サービスは大打撃を受けた。図書館は開館時間短縮、ゴミの収集業務は減り、公園、公立病院の予算も削減といった具合である。
しかし、サンディ・スプリングス市の手口に学んで、ジョージア州で5つの市が誕生し、フロリダ、テキサス、カリフォルニアでも「独立」が30以上予定されているという。結局のところ、これは富裕層を優遇しないと、彼らの反乱によって貧困層も報いを受けるという教訓なのかもしれない。今後、自由と競争、アベノミクスを推進力として少子高齢化などモノともせずに大成長していく予定の日本も、この寓話から大いに学ばなければいけないだろう。
ボンド柳生
*NHKクローズアップ現代(2014年4月22日放送「『独立』する富裕層~アメリカ 深まる社会の分断~」)