しっかり固定されていなかったコンテナや車
船はなぜ急速に傾き浸水したのか。東海大学海洋学部の山田吉彦教授はこう解説する。「セウォル号は日本から売却された後、客室部分が改造され5階建てとなりました。船の設計はバランスを考えて行われますが、客室を増やしたいという理由で改造すればバランスが崩れます。また、客室も細かく仕切られておらず、海水が侵入することを防ぐ扉もありません。水は一気に船内に流れ込んできたと思われます。
出港直前のセウォル号の映像を見ると、大型車が何台も入っています。規則ではこれらの車は船内で固定しなければなりませんが、最後の車が入ってから出港まで約5分。おそらく、固定せずに簡単な車止めを使用したのでしょう」
井上「船が傾くときにドスンという大きな音が何度も聞こえてという証言がありますが、それは車が横転する音だったのですね」
山田教授「そうだと思います。急転回したときに片側に寄った。そのためバランスはますます悪くなり、傾くスピードが速まり転覆したのでしょう」
沈没現場周辺には大型クレーン船5隻が待機しているが、家族の間からは「船体の引き上げよりも船内捜索を先にして」という声が強くなっているという。いや、クレーンで吊っていないと海流が早く、船も流されてしまうらしいぞ。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト